「粒断機」と「粉砕機」との違いとは。

「粒断機」と「粉砕機」との違いとは。

Question

株式会社ハーモが製造販売している「粒断機」が一般の「粉砕機」とどう違うのか教えてください。ランナーやスプルーが大量に発生する射出成形業が粒断機を使うメリットもわかりやすく説明してください。

Answer

株式会社ハーモが製造販売している「粒断機」は一般的な「粉砕機」とは異なり、射出成形において発生するスプルやランナー(不要な樹脂部分)をバージン材(新しい樹脂材料)に近い均一な粒状に「切断」することを目的とした機械です。一般的な粉砕機が材料を不規則な形状に「砕く」のに対し、粒断機はより精密な処理を行います。

『粒断機』でカットした再生材スプル・ランナの特徴

  • 粉が少なく、粒が揃っている(バージン材により近い)
  • 軽量時間を短縮
  • 安定成形でヤケも少ない
  • リサイクル材の混合比率を2倍以上にできる
  • エラストマーなどの軟質材も専用機できれいにリサイクルが可能

ハーモ製品サイト|粒断機SPCIISPCIIIシリーズ|ogp (1)

粒断機の製品ページを見る

 

粒断機と粉砕機の違い

ハーモの粒断機は粉砕機の課題である「粉の発生」「粒の不揃い」「熱発生」などを克服し、より高品質な再生材を得ることに特化しています。

  粒断機(ハーモ製) 粉砕機
処理方法 特殊な「スイングプレスカット方式」で粒状に切断する。 衝撃や摩擦により不規則な形状に粉砕する。
製品形状 バージン材に近い均一な粒状になる。 不揃いな形状やサイズの混合物、粉の発生が多い。
粉の発生     非常に少ない。一度切断した箇所を再度刃が通らない。 刃の通過回数が多く、粉や微粒子が多く発生しやすい。
静電気 発生が少ない。 粉の発生により静電気が発生しやすい。
熱発生 極力抑えられる。 摩擦熱が発生しやすい。
ミスカット ほとんど発生しない(スクリーンなしで所定の大きさにカット) 粒が不揃いになりやすく、ミスカットも発生しやすい。
用途 射出成形のスプルやランナーを高品質な再生材として再利用。 一般的な樹脂や他の固形物の減容、再利用、廃棄処理など。

 

射出成形業が粒断機を使うメリット

1. 高品質な再生材の確保とリサイクル率の向上

  • バージン材に近い品質
    粒断機で処理された材料は粉が少なく、粒の大きさが均一であるため、バージン材と混合しても品質の安定性が高く、成形品の品質劣化を抑えられます。
  • リサイクル率の向上
    粉砕機では困難だった高比率での再生材の混合が可能になり、材料のリサイクル率を大幅に向上させることができます。

2. 材料コストの削減

  • 廃棄物削減
    スプルやランナーを高品質な再生材として再利用できるため、廃棄する材料が減り、その分の材料購入費や廃棄費用を削減できます。
  • コスト削減事例
    実際の導入事例では年間数億円のコスト削減につながったケースもあります。

3. 成形工程の安定化と生産性向上

  • 材料供給の安定
    粒の形状が均一なためホッパーでのブリッジ(材料の詰まり)が発生しにくく、材料供給が安定します。これにより、成形機の稼働率が向上し、生産ロスを低減できます。
  • 計量時間の短縮
    粒が均一なため成形機での材料計量時間が安定し、サイクルタイムの短縮にも貢献します。
  • 不良品の削減
    粉の混入や不均一な粒による成形不良(ヤケ、ボイドなど)が減少し、安定した品質の製品を生産できます。

4. 作業環境の改善とメンテナンス負担の軽減

  • 粉じんの低減
    粉の発生が少ないため、工場内の粉じんが減り、作業環境が清潔に保たれます。
  • 掃除・メンテナンスの効率化
    粉や静電気の発生が少ないため、周辺機器のフィルターや機械内部への微粒子の付着が少なく、清掃やメンテナンスの頻度と時間を大幅に削減できます。

5. 環境負荷の低減(SDGs対応)

  • 資源の有効活用
    廃棄物を減らし、プラスチック資源を有効活用することで、環境負荷の低減に貢献できます。これは企業のSDGsへの取り組みとしても重要です。

粒断機の製品動画

環境に配慮し材料コストにも貢献|粒断機・混合機のご紹介

 

粒断機のまとめ

生産性向上コスト削減に直結する重要な設備

樹脂のリサイクル率向上で製造原価低減に貢献

特に高品質な成形が求められる射出成形業界において、粒断機は単なる廃棄物処理機ではありません。生産性向上とコスト削減に直結する重要な設備です。

ランナーリサイクルという考え方

ランナーやスプルに適したカット方法を用いれば、粒度が安定して粉も少なく、リサイクル成形品の品質は格段に向上します。したがって、今までよりも混合率の向上が可能となり、コスト改善も行えます。しかもお勧めしたいのは、粉砕室にまとめて持って行って粉砕するのではなく成形機一台ごとに粉砕機を置きそのままリターンをかける手法です。これにより、粉砕室で粉まみれになって粉砕材を扱って、現場との往復をする必要もなくなります。
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デモ機の無料貸出サンプルカットをご活用ください

樹脂のテストカットをお試しください

御社で使用されている樹脂をテストカットしてみてください。弊社スタッフも現場で立会い、粒断機の説明やリサイクル成形に関わる改善提案も一緒に行わせていただきます。
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サンプルカットもご対応いたします

御社のランナ等をお預かりしてサンプルカットすることも可能です。その際はランナを30ショットほどご用意ください。

 

ダウンロード資料をご活用ください

こんな方におすすめの資料です

  • 再生材の調整に手間がかかる(射出成形機オペレーター様)
  • 生産計画を立てられない(生産ライン管理者様)
  • 再生材の割合を増やすと成形不良が出る(品質管理者様)
  • 樹脂の取り合いで苦労している(工場責任者様)
  • 原料費高騰で頭が痛い(経営者様)

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河口尚久|ハーモ

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