セミクリーンルーム工場内の環境改善事例|射出成形の現場における熱放出の低減

セミクリーンルーム工場内の環境改善事例|射出成形の現場における熱放出の低減|クリーンルームにおける熱負荷

精密車載部品成形のA社様

成形部品:精密車載部品(車載用USBコンソール、レーン監視用カメラ等)

クリーンルームの課題(熱負荷)

A社様では成形品の品質を保つ為に、セミクリーンルーム内で射出成形をされています。一般にセミクリーンルームでは、工場容積内のコンタミを低減する為に、工場自体の容積は通常の工場に比べ狭く設計されます。

工場内に熱気が滞留してしまう(熱負荷の課題)

このため、工場の天井は極力低く建築されることから、A社様では「工場内に熱気が滞留してしまう」といった課題を抱えておられました。

完全なクリーンルームあれば、工場設計段階から工場内排出熱量の計算を行い、ヘパフィルター装備の完全空調を用いるため、熱気の滞留は防げます。

しかし、セミクリーンルームレベルでは、ホッパードライヤーからの排気熱量や射出ユニットからの放熱といった各設備から排出される熱量が空調能力を超える場合には、空調はしていても工場内に熱気が滞留してしまいます。

また、当初は成形機台数を限定して設置しても、仕事量の増加や面積生産性の観点から、設備増設により空調能力を超えた熱量放出は起こりえます。
このような、熱気に関する工場内の環境改善(熱負荷の課題)の悩みを抱えるお客様は意外と多いかもしれません。

断熱ジャケットのホッパードライヤー装着を提案

一般的にホッパードライヤーは、金属性ドラム内へ樹脂を投入し、発熱ヒーターからの熱風をドラム内へ送風し、樹脂を乾燥します。

このため、一定時間以上金属ドラムへ供給される熱量は、金属ドラムの外面を通じて室内へ自然放熱されます。そこで、A社様の熱負荷の課題を解決するため、金属性ドラムへ断熱ジャケットを巻きつけ、放熱を削減することを提案させていただきました。

具体的な技術内容|機種:MDRII-75F

具体的な技術内容|機種:MDRII-75F|クリーンルームにおける熱負荷

金属性ドラムへ断熱ジャケットを設置

  • ドラム蓋:断熱材取り付け
  • オプション:断熱コートAssay
  • 本体部:断熱材取り付け

断熱仕様の電気消費量

乾燥温度100℃
  電気料金(1ケ月) 電気料金(12ケ月)
1.断熱コート無し ¥20,800 ¥249,595
2.断熱コート有り ¥19,672 ¥236,059
1-2=差額金額 ¥1,128 ¥13,536
2/1省エネ効果 0.95 0.95
乾燥温度150℃
  電気料金(1ケ月) 電気料金(12ケ月)
1.断熱コート無し ¥29,289 ¥351,464
2.断熱コート有り ¥28,080 ¥336,962
1-2=差額金額 ¥1,209 ¥14,502
2/1省エネ効果 60.95 0.96

 

ホッパードライヤー排気熱交換機の装着を提案

一般にホッパードライヤーへ供給される熱風は、樹脂乾燥ドラム内を通過した後、粉を取り除くためのサイクロンへ送られ、室内へ自然排気されます。
一定時間以上を経過した熱風は、ドラム内で熱交換されても、排出される時点ではまだ一定の熱量を蓄えたまま室内に放出されてしまいます。

A社様の熱負荷課題を解決するため、サイクロンを通過した排気を熱交換機へ通し、交換された熱量を再度乾燥ドラムへ戻すことで放熱を削減し、更にフィルターを通過させて排気させることで、室内のクリーン度を保つことを提案させていただきました。

具体的な技術内容|該当機種:THD15〜75

吸気と排気の分離型交換器『THD15〜75』をご提案。

特徴

  • 吸気と排気が混じりあることがない
  • 熱交換部にオフセットヒートシンクを採用
  • オフセットヒートシンクAssyの中を排気が通り、内側のオフセットヒートシンクに熱が吸収される
  • 吸収した熱は外側のオフセットヒートシンクに伝わり、ブロワから吸い込んだ空気に伝わる
  • 熱伝導により吸気温度が上昇するので、ランニングコスト削減が期待できる

熱交換器原理(オプション)

  • 熱交換器
  • 熱交換器出口フィルター
  • 熱交換器入口フィルター

取り付け箇所

  • ブロワとヒーター管の間

熱交換器の選定基準(3パターン)

熱交換器の選定基準(3パターン)|クリーンルームにおける熱負荷

熱交換器の仕様を3パターン用意しました。(それぞれの機種に3パターン)
3パターンの選定基準はサイクロンから排出される粉の処理方法で選定します。

A 熱交換器仕様

選定基準 サイクロンの粉が少ない場合に選定
特徴 サイクロンからの排気と共に粉が出てくると、熱交換器内部に付着したり、そのまま外気に排出されます。後からフィルタータイプ(B・C)に改造が可能です。

B 熱交換器出口フィルター仕様

選定基準 サイクロンの粉を低コストで回収したい場合に選定
特徴 外気には粉が排出されにくい仕様ですが、熱交換器内部に付着しやすく、付着した場合は効率の低下や排気抵抗が増えることにより乾燥不足になる場合もあります。上記可能性がある場合はCタイプを推奨します。

C 熱交換器入口フィルター仕様

選定基準 粉やガスの排出が多く、熱交換器の内部メンテナンスを軽減したい場合に選定
特徴 付属のフィルターは粉用ですので、ガス排出はできません。熱交換器内部に粉の侵入を防ぎ、清掃軽減や乾燥不足を防止します。

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熱放出でお悩みの写出成形業様はぜひ、ぜひご活用ください。

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「工場内に熱気が滞留してしまう」

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