自動金型温度調節機
大温度差システム搭載インバータ金型温調機
今まで当たり前であったことに私たちは疑問を感じました。
では、流量を減らしたらどうなるのか?
金型温調機は熱交換器ですが、研究の結果、下記がわかりました。
「熱交換量=温度差×流量(ポンプ周波数)=一定」
つまり、流量を減らしても冷却時間は変わりません。温度差が過大でなければ、ポンプ周波数を引き下げても成形への影響はありませんでした。
右のモデルでは、戻り温度をわずか1℃増やすとポンプ電力は30%に激減します。この省エネ手法は一般に「大温度差システム」と呼ばれて空調機で利用されています。
ポンプ電力は流量の3乗に比例する特性があります。電源60Hz地域で、ポンプが40Hzの時の電力は右記のように求められます。
ポンプを使用する金型温調機は節電に最適な機器なのです。
金型温調機は行き温度が一定になるように温度制御しますが、運転開始後すぐに設定温度に達し、その後は当たり前のように一定に保ちます。しかし、見えないだけで、本当は金型の中ではダイナミックな変化が起きています。
右のグラフは実際の成形テストを基にしたモデルです。
行き温度は数分で一定に達しますが、温度差はその後も変化し続け、連続成形中も射出・冷却・取出にともなって常に変化します。この温度差が過大ならば、金型の温度分布がばらつき、冷却不足が発生してしまいます。(なお温度差は汎用成形で5°、精密成形で2°以内が推奨されています)
したがって、金型温調機の性能では温度差を許容範囲内に維持する能力が重要です。今までの金型温調機はポンプを常に高速で回すことで温度差の課題を無視してきましたが、能力に余裕がある分のエネルギーは無駄に消費していました。
インバータ金型温調機は独自技術で温度差を維持しながら、積極的に流量を減少させることで節電と安定成形の両立にはじめて成功しました。
温度差、周波数などの主要データを運転中のみ10,000時間以上蓄積自動グラフ作成ツールをSDカード内に添付します。
ハーモウェブセミナー|金型は熱交換器!射出成形の金型温度調節機選定の考え方Part1|2022/09/28開催
ハーモウェブセミナー|金型は熱交換器!射出成形の金型温度調節機選定の考え方Part2|2022/10/28開催
射出成形の金型温度調節機の選定 パート1
射出成形の金型温度調節機の選定 パート2
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