ハーモWebセミナーレポート『努力しなくても電気代を削減できる方法とは？（成形工場編）』

2023年8月29日に開催したハーモウェブセミナー【努力しなくても電気代を削減できる方法とは？（成形工場編）】の動画といただいたご質問への回答を掲載いたします。ぜひご覧ください。

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ウェブセミナー内容

1. 電気料金値上げの推移と今後の予測（1:56〜）
2. 成形現場でできる省エネ対策（5:54～）
3. 電気代削減に貢献するハーモの製品群（15:56～）

01. 電気料金値上げの推移と今後の予測

（セミナー動画はこちら　1:56～）

電気料金は2年前に比べ約2倍へ

電気料金値上げの今後の予測

10月からまた値上げの可能性（2023/8/29現在）

電気料金が値下がりした理由

• 政府による補助制度「激変緩和措置」
• 天然ガス/石炭価格の落ち着き

9月いっぱいで「激変緩和措置」が終了

• 予定2023年9月分は補助額が半分に
• 2023年10月分からは補助は終了予定
  
  

お客様の声

• 工場の中で何が一番電気代 がかかっているか分からな い 32%
• ムダな電気代を切るように促しても一向 に変わらない 27%
• どんなに努力しても電気代が上がれば 意味がないと 思ってしまう 18%
• 自動化すればする程電気代がかかる 2%
• その他 21%

電気料金が1.5倍まで上昇。ひと月の電気料金が1千万を超えてしまった…
電気料金が2倍にまで上昇。その分利益が圧迫し赤字になってしまった…

02. 成形現場でできる省エネ対策

（セミナー動画はこちら　5:54～）

成形現場でできる省エネ対策

１. 油圧式成形機から電動式成形機への更新

電動式射出成形機の基本構造は射出機構、型締め機構など成形機の各部を油圧装置で駆動するのではなく、サーボモーターにより駆動する方式。

油圧機　制御系の電気量に油圧ポンプ用モータが常時回転している状態がベース
電動機　制御系の電気量がベース

２. 電動機と油圧機の電力差

• 電動機の冷却時間のサーボモータの電力 0kW
• 油圧機の冷却時間のポンプモータの電力 2.5kW

上記の電気量の差が稼働時間中ずっと効いてくるので、電動機の消費電力量が大幅に低くなり省エネ効果となる。（40〜50％程度削減可能）

３. 成形機の保温対策(シリンダーヒータ保温)

加熱筒部を専用断熱保温カバー（シリンダーヒーター加熱筒）で被覆することで放熱を遮断し、ヒータ電力および空調電力を削減する（省エネ・エコ）。

省エネの効果

3,484千円/年 の電気代節約が可能（参照：コンピュータ・シティー株式会社）

４. 乾燥機のフィルターのこまめな清掃

ダイキン工業、エアコンのフィルター掃除などで15％の節電効果があることを実証

日中6時間のエアコン運転での比較

• 対策なしが2.6kWh
• 対策ありは2.2kWh

電力を約15％削減

５. コンプレッサ供給圧力の適正化や消費設備の低圧化

コンプレッサの省エネで最も重要なことは吐出圧力の見直し。一般的に吐出圧力を0.1MPa下げられれば4～5％程度の電力消費量低減が可能と言われている。

６. 各機器のエア漏れの防止、修繕

配管に3mmの穴があった場合

• 損失電力量は約21,053ｋW
• 電気料金としては年間40万円のロス
• CO２排出量で示すと約9,474kg
  
  

電力量の管理、見える化

最大需要電力を抑える方法（デマンドコントロール）で、最大需要電力を抑えて契約電力をカットすることが電気代削減につながる。

03. 省エネに貢献するハーモの製品群

（セミナー動画はこちら　15:56～）

ホッパードライヤー「断熱コート」装着

（セミナー動画はこちら　16:57～）

一般的なホッパードライヤー

金属性ドラム内へ樹脂を投入し、発熱ヒーターからの熱風をドラム内へ送風し、樹脂を乾燥する。このため、一定時間以上金属ドラムへ供給される熱量は、金属ドラムの外面を通じて室内へ自然放熱される。

解決策

• 金属性ドラムへ断熱コートを巻きつけ、放熱を削減する
• 放熱を削減する＝省エネ効果もある

断熱仕様の電気消費量（乾燥温度100℃）

【電気料金計算条件】 1kWh=23.26円（東京電力）

結果

年間 18,144円の電気代節約

ホッパードライヤー「排気熱交換器」装着

（セミナー動画はこちら　20:45～）

一般的なホッパードライヤー

一般にホッパードライヤーへ供給される熱風は、樹脂乾燥ドラム内を通過した後、粉を取り除くためのサイクロンへ送られ、室内へ自然排気される。一定時間以上を経過した熱風は、ドラム内で熱交換されても、排出される時点ではまだ一定の熱量を蓄えたまま室内に放出されてしまう。

解決策

サイクロンを通過した排気を熱交換器へ通し、交換された熱量を再度乾燥ドラムへ戻す。それにより放熱を削減し、更にフィルターを通過させて排気させることで、室内のクリーン度を保つ。

• 安定した循環エアによる材料乾燥
  乾燥機より排出される熱風と、新たに送られる乾燥エアが熱交換器を介して熱交換することにより、安定した循環エアによる材料乾燥が行えます
• ヒーターの消費電力が低減
  乾燥用に取り入れられたエアは送風用のブロワで加熱用ヒーターに送られますが、熱交換器によって昇温されることにより加熱ヒーターの通電量が削減されるために、ヒーターの消費電力が低減されます
• 空調設備の消費電力を抑える
  乾燥機から排出される熱風は効率の良い熱交換器によって温度が下がった状態で室内に排出されるため、室内に設置されている空調設備の消費電力を抑えることに繋がります

省エネ効果（一例）

測定状況：気温10～20℃／ブロア吸引温度30℃（一定）／電気代1kwh＝¥23.26／1年間（365日）24時間計算

結果

年間最大  133,760円の電気代節約

除湿乾燥機の「省エネモード」

（セミナー動画はこちら　26:30～）

省エネ効果（一例）

※1　除湿乾燥運転1時間当たりの実測値
※2　24時間、25日稼働1kw＝23.26円で算出

結果

年間 90,432円の電気代節約

トータルリンク「終了時周辺機器自動オフ」機能

（セミナー動画はこちら　28:02～）

無駄な電力を消費しているケース

• 材料交換の際に材料乾燥機の電源は切られていても、金型温度調節器の電源は入ったまま
• 金型交換の際に金型温度調節器の電源は切られていても、材料乾燥機の電源は入ったまま
• 材料が不要な状態でもホッパーローダーは空吸いのまま動き続けている
• 粉砕物がない状態で粉砕機が動き続けている 等

また、成形現場においては、段取り替え作業以外にも製品の検査や梱包作業、完成品の運搬等、多くの業務があります。 業務の緊急度や優先度により、成形終了後すぐに段取り替え作業を行なえず、その間周辺機器は動き続けて、無駄に電力を消費しているケースもあります。

周辺機器を自動で終了するハーモの『トータルリンク』機能

成形終了時、ロボット自動運転停止時に周辺機器へ生産終了指示をしてお知らせ

トータルリンクの導入前

• 予定個数を終了してロボットが運転停止後、全ての周辺機器を運転停止しなければならない
• 電気代がもったいない
  
  

トータルリンクの導入後

• 予定個数を終了してロボットが運転停止後、ロボットが周辺機器に運転終了を自動で指示
• ムダな電気代がかからず、省エネに貢献
  
  

電力消費の削減例

1回の段取り替えで15分ロスした際の年間の電気料金例

• 1時間当たりの金型温度調節器の消費電力量 ： 2.12kW/ｈ×23円26銭＝49.3円
  金型温度調節器ポンプモーター0.74kW2P、ヒーター容量3kW、温度設定80℃、供給水25℃で計測
  電力料金は東京電力2023年2月15日公表平均市場価格（円１kWh当たり）を参照
• 1時間当たりの除湿乾燥機の消費電力量 ： 2.068kW/h× 23円26銭＝48.1円
  除湿乾燥機ヒーター3kW、ブロワー1.5kW、設定温度120℃で計測
• 粉砕機一馬力 ： 0.75kW/h× 23円26銭＝17.5円

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