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ハーモウェブセミナーレポート『樹脂リサイクルによるCo2削減に貢献する粒断機』2023/1/24開催

ハーモウェブセミナーレポート『樹脂リサイクルによるCo2削減に貢献する『粒断機』』2023/1/24開催

2023年1月24日に開催したハーモウェブセミナー【樹脂リサイクルによるCo2削減に貢献する『粒断機』】の動画といただいたご質問への回答を掲載いたします。ぜひご覧ください。

ウェブセミナー資料をダウンロードできます

樹脂リサイクルによるCo2削減に貢献する粒断機

セミナーの資料をご用意いたしました。ダウンロードしてご活用ください。『樹脂リサイクルによるCo2削減に貢献する粒断機』の資料を見る

 


 

ウェブセミナー内容

 


 

01. Co2削減の背景

セミナー動画はこちら 2:01~

2015年のパリ協定において、世界の89%の温室効果ガスを排出する159カ国は、「産業革命以前と比べ地球の温度上昇を2℃より十分低く保つと共に、1.5℃に抑える努力を追及する」ことに合意。その背景には、異常気象で穀物不作による世界的な食糧問題、絶滅危惧種の増加などの気候変動による生態系への影響、気候変動による自然災害の頻発等から、持続可能な地球環境を整える必要性を求められています。

サプライチェーン排出量とは?

事業者自らの排出だけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量を指す。つまり、原材料調達・製造・物流・販売・廃棄など、一連の流れ全体から発生する温室効果ガス排出量のこと。


サプライチェーン排出量

Scope1排出量 + Scope2排出量 + Scope3排出量

サプライチェーン排出量 (1)

  • Scope1 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
  • Scope2 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
  • Scope3 Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

引用:環境省・みずほリサーチ&テクノロジーズ「サプライチェーン排出量の算定と削減に向けて」

Scope3における取引外注に対するCo2削減策

特にスコープ3における取引外注に対するCo2削減策は今後本格化することが予測され、射出成形関連企業の環境への取り組みは必須の課題となることが予測される。

  • 使用するエネルギーの削減
  • クリーンエネルギーへの転換
  • 樹脂のリサイクル
  • 無駄な樹脂使用の削減
  • 廃棄する樹脂の削減など

サプライチェーン排出量算定の目的は企業活動にかかわる全ての排出量を算定することにより、企業活動全体を把握、管理することが目的ですので、取引先からのCo2削減要求に対応できるよう、今から具体的な削減策と削減量の計算について、準備をしておくことをお勧めします。

 

02. ライフサイクルアセスメント(LCA)の考え方

セミナー動画はこちら 6:39~

LCAとは?

ライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)の略称。ある製品の資源採取から原材料の調達、製造、加工、組立、流通、製品使用、さらに廃棄にいたるまでの全過程(ライフサイクル)における環境負荷を総合して、科学的、定量的、客観的に評価する手法です。

LCAの概念

プラスチックのライフサイクル

LCAの概念 (1)

樹脂製造のLCIについて

LCI(インベントリ分析)

ライフサイクル(製造、使用、廃棄)の各段階における材料使用量、エネルギー消費量、環境負荷物質排出量、廃棄物量などに関する入力項目と出力項目のデータを収集し、計算 LCAを実施するための基礎となるものです。
LCA 評価を正しく行うには、定性的・定量的なインベントリデータを的確に収集することが求められます。

調査結果

LCI(インベントリ分析)の調査結果|株式会社ハーモ

引用:一般社団法人プラスチック循環利用協会(PWMI)「LCAを考える「ライフサイクルアセスメント」の考え方と分析事例」

 

03. 樹脂原料焼却にともなうCo2排出について

セミナー動画はこちら 11:42~

廃プラスチックの処理方法

マテリアルリサイクル

  • 粉砕などをして、同じもの、また異なる製品(※1として活用する方法)
  • ※1:例)衣類、包装用トレイ、コンテナ、土木建築素材など

ケミカルリサイクル

  • 廃プラスチックを化学的に処理し、化学原料として再生する方法
  • 例)高炉の還元剤、モノマー化(※2してペットボトルや包装容器、油化処理して燃料化、ガス化処理して化学工業の原料など)
  • ※2:プラスチックを分解してエチレンなどの原料の状態に戻すこと

サーマルリサイクル

  • 廃プラスチック類を燃焼させ、熱エネルギーとして利用する方法
  • 例)発電や温水利用、固形燃料化など

 

一般廃棄物の焼却にともなうCo2の排出について

計算式

排出量(kg-CO2)=プラスチックごみ焼却量(t)×炭素排出係数(kg-C/t)× 44/12 (kg-CO2/kg-C)

一般廃棄物の焼却に伴う炭素排出係数

廃プラスチック類の区分 排出係数
(kg-C/t)
(参考)
炭素排出係数×44/12(kg-CO2/ t)
廃プラスチック類
(合成繊維の廃棄物を除く)
754 2,765

廃プラスチックを焼却するために、1トンあたり2,765kgのCo2が排出されます。熱エネルギーとしての還元もできますが、なるべく焼却せずCo2を排出しない努力が必要となってきます。

 

04. 粒断機によるCo2削減効果

セミナー動画はこちら 14:19~

樹脂リサイクルによるCo2削減の計算例

1日50KgのPP(ポリプロピレン)を使用して成形品を製造する場合、そのうち10%をリサイクルに置き換えた場合

成形機一台当りの年間樹脂削減量

計算式
  • 50㎏×20日(月稼働日)×12ヶ月=12トン(年間樹脂使用量)
  • 12トン×10%リサイクル=1.2トン(削減できる樹脂量)
  • 1.2トン×1,483kg (PP1トンの製造に伴うCo2 排出量)※1 =1.7796トン
年間削減できるCo2
  • 1.7796トン (年間12トンの樹脂リサイクルで削減可能な年間Co2排出量)

 

樹脂リサイクルによるCo2削減の計算例

1日50KgのPMMA(アクリル)を使用して成形品を製造する場合、そのうち10%をリサイクルに置き換えた場合

成形機一台当りの年間樹脂削減量

計算式
  • 50㎏×20日(月稼働日)×12ヶ月=12トン(年間樹脂使用量)
  • 12トン×10%リサイクル=1.2トン(削減できる樹脂量)
  • 1.2トン×4,073kg(PMMA1トンの製造に伴うCo2 排出量)※1=5.676トン
    ※1:樹脂1トン当りの製造に伴うCo2排出量は『LCAを考える』内の「樹脂製造のLCI」より引用
年間削減できるCo2
  • 5.676kg (年間12トンの樹脂リサイクルで削減可能な年間Co2排出量)

 

05. 粒断機導入によるコストメリット事例の紹介

セミナー動画はこちら 17:00~

粒断機リサイクル事例 ❶

ユーザー情報

  • 医療系メーカー
  • 材料:PP(ポリプロピレン)
  • サイクル24秒(月産400万個)
  • ランナ1ショット約20g
  • 1ショット樹脂量約40g

導入前

  • 他社製を使用
  • カット時にフワフワになり搬送、成形機材料口でブリッジを起こし、計量不安定
  • リサイクル率は0%

導入後

  • リサイクル率 0%→100%
  • カット精度も安定し、ブリッジが解消

成形機一台当りの年間樹脂削減量

計算式
  • 72㎏×25日(月稼働日)×12ヶ月=21.6トン(年間ランナ総重量)
  • 21.6トン×100%リサイクル=21.6トン(削減できる樹脂量)
  • 21.6トン× 1,483kg ※1=32.0328トン(年間削減できるCo2)
年間削減できるCo2
  • 約32トン削減(年間約1,927万円※2の原料コスト削減)
    ※1: PP樹脂1トン当りの製造に伴うCo2排出量は『LCAを考える』内の「樹脂製造のLCI」より引用
    ※2: PP樹脂1kgを892円で算出

 

粒断機リサイクル事例

ユーザー情報

  • 医療系メーカー
  • 材料:PE(ポリエチレン)
  • サイクル34秒
  • ランナ重量約22g

導入前

  • 他社製を使用
  • 成形直後は柔らかく回転刃に噛み込まず、ブリッジ発生
  • 処理後の粒の形状が悪く搬送不良発生
  • リサイクル率は0%(産廃業者引き取り)

導入後

  • リサイクル率 0%→25%
  • ホッパー内ブリッジ解消
  • 材料輸送の課題が解決し、連続生産性が向上した

成形機一台当りの年間樹脂削減量

計算式
  • 56㎏×22日(月稼働日)×12ヶ月=14.5トン(年間ランナ総重量)
  • 14.5トン×25%リサイクル=3.625トン(削減できる樹脂量)
  • 3.625トン×1,326kg ※1=4.8トン(年間削減できるCo2)
年間削減できるCo2
  • 約4.8トン削減(年間約79万円※2の原料コスト削減)
    1: PE樹脂1トン当りの製造に伴うCo2排出量は『LCAを考える』内の「樹脂製造のLCI」より引用
    ※2: PE樹脂1kgを219円で算出

 

Co2排出削減効果は?

廃棄焼却することによるCo2排出量

3.6トン(削減できる樹脂量)× 2,765kg

  • ※1 = 9.95トン(焼却によるCo2排出量)
  • ※1:廃プラ1トン廃棄焼却することによるCo2排出量

年間Co2排出削減量

4.8トン(年間削減できるCo2)+ 9.95トン(焼却によるCo2排出量)14.8トン削減可能

 


06. 粒断機の選ばれる理由

セミナー動画はこちら 22:10~

粒断機の優位性

ハーモの粒断機は、低速粉砕機と構造が全く違います。独自のカット方式「スイング・プレス・カット方式」のため、粉砕材(粒断材)は、粒もそろって、バージン材に近い形状をしているので、再生材による成形品質が安定します。


硬質材の粒断例

樹脂硬質材の粒断例|株式会社ハーモ

 

軟質材の粒断例

軟質材の粒断例|株式会社ハーモ

 

ハーモの粒断機

ハーモ製品サイト|粒断機SPCIISPCIIIシリーズ|ogp (1)

樹脂のリサイクル率向上で製造原価低減に貢献します。デモ機の無料貸出もご対応しています。御社で使用されている樹脂をテストカットしてみてください。弊社スタッフも現場で立会い、粒断機の説明やリサイクル成形に関わる改善提案も一緒に行わせていただきます。お気軽にご相談ください。

粒断機の製品ページを見る

粒断機のデモ機貸出・サンプルカットのページを見る

 


 

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樹脂リサイクルによるCo2削減に貢献する粒断機

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