樹脂成形の基礎知識の目次
樹脂成形とは
樹脂成形の原理
- 樹脂(プラスチック)を加熱して溶かす
- 金型に流し込む
- 冷やして固める
- 取り出す
樹脂を溶かして金型に流し込む「射出装置」、形作る「金型」、金型を開閉して成形品を押し出す「型締装置」などが使われます。成形品の用途や形状ごとに最適な樹脂や成形方法が変わります。
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ハーモの周辺機器は射出成形の自動化・省人化、品質向上、コスト低減、生産性の向上、樹脂のリサイクルなど幅広いテーマで貢献します。成形現場でのお困りごとをご相談ください。
樹脂とは
天然樹脂と合成樹脂
樹脂はもともと植物性由来のものであり、樹液が空気に触れることで固まったものを指していました。天然樹脂としては漆や松脂(ロジン)、天然ゴムなどが代表的です。動物性由来の膠(にから)やカゼインも樹脂のひとつです。
石油などを原料に樹脂に似た物質を生成できるようになり、人工的に製造された高分子化合物が合成樹脂です。いわゆるプラスチックであり、あらゆる製品に広く活用されています。
プラスチックの種類
プラスチックは「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」に大きく分けられます。
熱可塑性樹脂
「可塑性」とは固体に加圧した変形させた後、圧力を除いても歪みがそのまま残る(元に戻らない)性質を指します。加熱により可塑性が生じる樹脂が熱可塑性樹脂です。高温で溶融し、冷やすと固化する特性によりリサイクルできる樹脂です。
また、熱可塑性樹脂は「汎用プラスチック」「汎用エンジニアプラスチック(汎用エンプラ)」「スーパーエンジニアプラスチック(スーパーエンプラ)」の3種に大きく分類されます。
汎用プラスチック
- 長時間の耐熱性が100℃以下
- 耐熱性や機械的強度などの性能はあまり高くない
- 安価で大量生産できるため、日用品や工業製品の材料に幅広く使われる
ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルスチレン樹脂(ASまたはSAN)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)など
汎用エンジニアプラスチック(汎用エンプラ)
- 長時間の耐熱性が100℃以上
- 引張強さ50MPa以上、曲げ弾性率2400MPa以上
ポリアミド(PA)、ポリカルボナート(PC)、ポリアセタール(POM)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GE-PET)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)など
スーパーエンジニアプラスチック(スーパーエンプラ)
- 長時間の耐熱性が150℃以上
- 特に耐熱性、高温時の機械的強度でエンプラを上回る性能を持つ
ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルホン(PSU)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)、液晶ポリマー(LCP)、ポリイミド(PI)、ポリアリレート(PAR)、ポリスルホン(PSF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など
熱硬化性樹脂
「熱硬化性」とは加熱により固化する性質を指します。硬化後、再加熱で液状になることはありません。強度と耐熱性に優れています。
フェノール樹脂(PF)、ポリウレタン(PUR)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)など
樹脂不足という課題
2021年3月頃から続いているPA樹脂の不足は、コネクタ・自動車部品・LEDリフレクター等、多くの製品の生産に大きな影響を及ぼしつつあります。詳細は『樹脂不足と価格高騰への具体的な現場対策』をご覧ください。
『樹脂不足と価格高騰への具体的な現場対策』を見る
自動車のEV化にともなう樹脂部品の採用増
EV化に伴う樹脂部品の採用増は今まで以上に製品形状の複雑さが予測され、3次元形状を求められたり、局所的偏肉成形製品を求められます。スライドコアの増加やゲート形状が複雑になるなど、品質を保つために今まで以上複雑になることが予測されます。
自動車業界向けの特設ページではEV車に伴う成形技術の高度化への対応についてなどを紹介しております。ぜひご覧ください。
『自動車業界向け特設ページ』を見る
樹脂成形の種類
樹脂成形には様々な種類があります。成形品の用途ごとに最適な成形方法が選ばれます。
- 射出成形 代表的な成形方法。大量生産に適している
- 押出成形 フィルムやチューブなど筒状の成形に適している
- 中空成形(ブロー成形) ペットボトルなど容器型の成形に適している
- 圧縮成形 肉厚な成形品に適している
射出成形についての基礎知識と課題についてコンテンツにまとめています。詳しくは『射出成形とは|基礎知識と課題解決』をご覧ください。
射出成形とは|基礎知識と課題解決
射出成形の周辺機器
プラスチック射出成形においては、成形機と金型の他に様々な周辺機器が必要です。成形品取出しロボット、ストック装置、再生材を製造するための粉砕機(ハーモでは粒断機)、混合機、温調機など、射出成形で自動化を進め、生産性を向上するためにはそれら周辺機器の活用が不可欠です。
射出成形周辺機器
ハーモが製造する射出成形の周辺機器は製品・サービスサイトをご覧ください。
株式会社ハーモの製品・サービスサイト
デモ機の無料貸出
ハーモでは各種製品のデモ機の無料貸出サービスを実施しています。成形現場の課題解決にぜひご活用ください。
粒断機のデモ機貸出
「樹脂のリサイクル」で原価低減をしたい企業様向け
射出成形の樹脂リサイクル率向上と材料原価低減に大きく貢献する「粒断機」を無料でお貸し出しいたします。御社のランナ等をお預かりしてサンプルカットも可能です。その際はランナを30ショットほどご用意ください。
デモ機の貸出を見る
除湿乾燥機のデモ機貸出
「乾燥不足」が原因による成形不良でお困りの企業様向け
射出成形時における外観不良や強度不足などは乾燥不足が原因の場合もあります。徹底した除湿乾燥で解決できるかもしれません。ハーモの除湿乾燥ユニットで不良率改善のテストをしていただけます。
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ヘリカルホッパー(粉取ホッパー)のデモ機貸出
「粉による成形不良」にお困りの企業様向け
ホッパー内に発生させる螺旋気流と撹拌気流で、樹脂材料を「粉」と「材料」に分離させ、徹底的に粉塵を除去する装置です。ハーモのヘリカルホッパーを無料でお貸し出しして不良率改善のテストをしていただけます。
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奪電機のデモ機貸出
「静電気による成形不良」にお困りの企業様向け
奪電機は送風を使わず瞬間除電が可能です。イオナイザーの欠点であった除電時間や送風機の騒音、ホコリ、再帯電などの心配がありません。ハーモの奪電機を無料でお貸し出しして静電気除去のテストをしていただけます。
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成形現場の課題解決に役立つダウンロード資料
射出成形の工程改善、自動化、不良対策、生産性向上、カーボンニュートラル(CO2削減)などの課題解決に役立つ資料を揃えました。社内共有など皆様の課題解決にご活用ください。
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