【導入事例インタビュー】43台の成形機と24時間戦う現場の「最適解」。トータルリンクで実現したヒューマンエラー防止と省力化の全貌

【導入事例インタビュー】43台の成形機と24時間戦う現場の「最適解」。トータルリンクで実現したヒューマンエラー防止と省力化の全貌

東信化成株式会社様とは

新工場の稼働から約7年。200以上の金型を抱え、日夜フル稼働を続ける東信化成株式会社様。複雑な設定管理と、属人的なミスへの対策としてハーモのトータルリンク※を導入されました。その効果と現場の変化について、第一製造部成形課の木村課長と久田主任にお話を伺いました。

※トータルリンクはハーモの取出ロボットHRXⅢシリーズで温調機や乾燥機等の周辺機器と連動するハーモのオリジナル商品

取材協力

東信化成株式会社 (Webサイトはこちら
  • 第一製造部成形課 課長 木村文昭 様
  • 第一製造部成形課 主任 久田圭太 様

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24時間フル稼働、1日20回の金型交換

現場の負荷は限界に

―― まずは、御社の工場の稼働状況を教えていただけますか

 

木村課長 新工場ができてから6〜7年になりますが、旧工場も併設し、現在は合計43台の成形機が動いています。稼働率はほぼ90%。24時間稼働で、土日や連休以外は常に動き続けています。

―― オペレーターの方々の負担も相当なものでしょうね

木村課長 常時4〜5名で対応していますがそのうち2名はまだ新人です。特に夜間はオペレーターが1人になる時間帯もあり、目が行き届かない部分が出てくるのが悩みでした。金型保有数は200以上あり、1日の金型交換は10回から多い時は20回。夜間でも2〜3回の金型交換に加え、突発的なアラーム処理にも対応しなければならず、非常に慌ただしい現場です。

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「記憶違い」が招く成形不良

精神論ではない対策を求めて

―― トータルリンク導入前は、どのような課題を感じておられたのでしょうか

久田主任 設定ミスによる不良ですね。金型ごとに乾燥温度が違います。ポリカなら100〜120℃、ABSなら50〜80℃と幅があるのですが、オペレーターがついうっかり自分の記憶で設定してしまうことがあり、温度が合わずにシルバー(銀条)等の不良が出ることがありました。

木村課長 条件表をしっかり見るのが基本ですが、どうしても人間は間違えてしまうものです。また、今の時代、ミスを厳しく指摘しすぎると若い人は離れていってしまいます。精神論で「気をつけろ」と言うのではなく、システムとして自動でミスを防ぎ、監視できる仕組みが必要だと感じていました。

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木村課長 温度以外にも、温調機の水漏れやカプラの外れに気づかなかったり、立ち上げ時にバルブを開け忘れたり。さらには生産終了時に温調機や乾燥機を止め忘れ、ヒーターをつけっぱなしにしてしまうことも多々ありました。ちょうど他社製の周辺機器の入れ替えタイミングだったこともあり、ハーモさんから提案をいただいて導入を決めました。

ポカミスによる大量不良が「ほぼゼロ」に。数字に見える導入効果

―― 実際にトータルリンクを使ってみて、手応えはいかがですか

久田主任 ロボットから金型データがリンクされるので、温度管理のミスは完全になくなりましたね。温調機の流量監視機能のおかげで、カプラの外れやバルブの開放忘れもアラームで即座に気づけるようになりました。また、生産終了後の周辺機器の停止も自動化できたので、「消し忘れ」の不安も解消されました。

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木村課長 温調器ホース外れによる大量不良が月に1回程度は起きるのですが、トータルリンクで繋いでいる機械に関しては対処するまでの時間が短くなり、不良品の発生数を抑えることができています。
トータルリンク導入前のある日、夜勤稼動時に温調ホースが劣化により水漏れが発生し、夜勤者は異常に気付けず生産されてしまったことがありました。およそ50分間、そのまま生産したのでNGとして500個廃却しました。そして、ホースを交換し、水漏れのため、掃除機やウエス等で床清掃処理を行う時間が40分。再昇温時間に30分程度かかり、合計120分ロスとなりました。水は70ℓほど漏れたと思います。

温調ホースが劣化による水漏れのロス
  • トータルリンク導入後は温調ホースが抜けて漏れ出し、警報が鳴って機械停止するまで約2~3分
  • 水漏れ処置時間5分程度(ウエスで床を拭く程度)再昇温時間10分程度
  • ョコ停ルールとして24個廃却程度で済みました

編集注

上記「トータルリンク導入前」のロス金額を仮に計算する
※工業用水の料金は安価のため除く

①製品の材料費ロス:原価30円の場合:30円×500個で廃棄金額=¥15,000
②ロス時間分、製品を販売できなかった逸失利益:2時間で計算すると1,200個になるので、売価100円の場合=(売価100円-原価30円)×1200個=¥84,000
①②の合計は99,000円 約10万円のロスが発生していると考えられます。

現場の働き方を変えた「カレンダータイマー」と「ブロック管理」

―― 今回、工場の立ち上げに際して独自の運用をされているとか。

木村課長 トータルリンクからは少し離れますが、ハーモの担当者から提案をもらって、工場をブロック分けして10台ずつカレンダータイマーで管理しています。箱型乾燥機なども連動させているので、連休明けなどの起動が自動化されました。

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久田主任 トータルリンクでも起動タイマーはあり、通常の週初めの起動時間予約はできます。しかし、長期の連休明けなどの場合は、休み明けの稼働に合わせて、オペレーターがわざわざ早い時間や休日に出てきて乾燥機のスイッチを入れる必要がありました。今はタイマーで自動起動するので、その手間が一切なくなりました。現場の負担軽減という意味でも大きな効果が出ていて、提案に感謝しています。

現場だからこそ見える「さらなる要望」

―― 実際に使い込んでいるからこその、改善点や要望はありますか。

久田主任 もっとリンクさせたい機種があります。例えば粒断機 運転ボタンの入れ忘れを防ぎたいですね。また、乾燥機の温度監視はできていますが、本体の「輸送忘れ」でドラム内が空になることがあります。これに気づかないと数時間のロスになり、慌てて材料を入れても乾燥不足のまま成形機に流れてしまう。ここも監視対象にしてほしいです。

親会社やグループ全体へ広めたい「自動化の価値」

―― 最後に、今後の展望を教えてください。

木村課長 親会社にも生産性向上を報告する機会があるので、このトータルリンクの成果は積極的にアピールしていきたいと思っています。また、機能にある「材料の適量輸送」で無駄を省くことや、複数台の温調機の集中監視など、やりたいことはまだまだあります。

久田主任 現場としては、ミスを気にしすぎず、より効率的に動ける環境を整えていきたいですね。ハーモさんにはさらに現場に寄り添ったアップデートを期待しています。

―― ありがとうございます。これからも御社の「止まらない工場」を支えるパートナーとして、製品・サービスの向上に努めてまいります。

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編集後記

東信化成様では、最新の自動化ツールを「監視」のためだけでなく、若手スタッフが安心して働ける「環境づくり」として活用されている点が非常に印象的でした。ポカミスを責めるのではなく、システムでカバーする。その姿勢が、高い稼働率と品質を両立させる鍵となっていました。

トータルリンクとは

ハーモ製品サイト|トータルリンク |ogp (1)

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