前回のあらすじ
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『粉砕機を粒断機に替えると、サイクル短縮と歩留まり改善が可能ってホント?(前編)』で、粒断機を活用すると成形工程のひとつ「計量時間」が短縮されて、結果的にサイクルタイムが縮むというお話をしました。
粒断機はなぜサイクルタイムを短縮できるのか?
1. 乾燥がしっかりできている
2. ペレットの大きさや形が揃っている
3. ホッパーから安定して落ちてくる
大手ユーザーの「自動車部品メーカーのA社様」が他社競合メーカーの粉砕機と比較検討された結果、計量時間において、当社の粒断機が圧倒的に短く安定していると大量購入して頂いた経緯がありました。
今回は実際に購入されたお客様の例を用いて、粒断機の優位性を定量的に検証してみます。まず、A社様のお悩みから見ていきましょう。
自動車部品メーカーのA社様の悩み

成形機の計量動作・時間にバラつきがあり安定しない
具体的なご相談内容
成形機の計量時間監視タイムから外れ、エラーとなる(約5回/日)
- 通常サイクル約12.5S、サイクル監視タイマー設定数値:19S
- エラー停止ごとの立ち上げ作業に手間がかかる
- サイクルタイムが伸び、思うような生産計画が立てられない
A社様のお悩みは、「計量時間にバラつきがあり、安定しない」さらに 具体的に言えば「成形機の計量監視タイマーから外れエラーとなる(約5回/日)」ということでした。
通常サイクルが12秒で、サイクル監視タイマーは 19秒設定で、7秒もあるのに外れることが1日5回もあるなんて大変です。しかも1日5回なんて。オペレータさんや保全の方はやり切れませんよね。
計量時間を安定させるリサイクル材の条件
実際にお客さまの導入事例に入る前に、計量時間を安定させるリサイクル材の条件というものに触れてみたいと思います。
まず第一になんといっても「ペレットの大きさが揃っていること」です。ペレットの大きさが揃っていることによって下記のメリットが生まれます。
- スクリューへの供給量が一定になる
- 樹脂の溶け方(可塑の具合)が均一になる
- スクリューの摩擦過熱が安定する
これによって樹脂材料のスクリューへの「供給」から「可塑」、さらに「計量」の時間が安定します。
ちなみにスクリューへの供給が一定ではないということは、粉やミスカット、不揃いな粒が多い時に起こる、いわゆる「ブリッジ」という現象が発生します。これも詰まってしまうとオペレータさんが真鍮の棒などで押し込んだりする作業が生じます。
では今回のお客様の成形品情報を見てみましょう。
A社様の整形品情報
- 製品:コネクタハウジング
- 成形機トン数:100t(2024年設備最新型)
| ① |
材料材質 |
PET |
| ② |
製品重量 |
3.68g |
| ③ |
ランナー重量 |
7.91g |
| ④ |
ショット重量 |
11.59g |
| ⑤ |
製品取数 |
8個 |
| ⑥ |
1サイクル(他社粉砕機使用) |
32秒 |
| ⑦ |
稼働時間/日 |
24時間 |
| ⑧ |
稼働日数/月 |
15日 |
| ⑨ |
製品単価 |
6.11円 |
PETの材料でコネクタハウジングを成形していました。注目すべきは他社粉砕機使用時の1サイクルのタイムです。32秒かかっていました。あとは製品単価の6.11円がポイントです。
実際に写真で比較
次に実際に粉砕材を写真で比較してみましょう。

明らかに粒の状態が違います。他社(左)は粒の大きさも不揃いで、粉がたくさん発生していました。この写真の比較の時点で実測データに違いが出てくる予感がします。次に他社粉砕機とハーモ粒断機のサイクルタイム改善比較をご覧ください。
他社粉砕機とハーモの粒断機の比較
| |
他社粉砕機 |
ハーモ粒断機 |
| 計量時間(平均値) |
12.5秒 |
8.6秒 |
| 計量サイクル監視 |
19秒 |
10秒 |
| サイクル監視エラー(日) |
5回 |
0回 |
| 1サイクル |
32秒 |
28.1秒 |
| サイクル短縮 |
ー |
約3.9秒 |
| 材料輸送不具合(目詰まり) |
1回 |
0回 |
| ローダーフィルター清掃 |
1日 |
5日 |
| 成形機周辺粉塵汚れ |
有り |
無し |
イエローの部分をご覧ください。計量時間(平均値)ですが、他社が12.5秒に対して、粒断機は8.6秒、その差、3.9秒がサイクル短縮できました。
サイクル監視タイマーは他社の時に19秒だったのに対して、粒断機は10秒まで縮めました。
その上、サイクル監視エラー(オーバー)は1回も発生しませんでした。従来は1日5回もありました。目詰まりによる材料搬送の不具合も1回もありませんでした。
粒断機を導入したA社様のメリット① (生産数/金額)
- 増産数/月 → 52,843個
- 売上増額/月 → 322,871個
| |
他社粉砕機 |
ハーモ粒断機 |
| 取り数 |
8個 |
8個 |
| 成形サイクル |
32.0秒 |
28.1秒 |
| 1日の稼働時間 |
24時間 |
24時間 |
| 1ヶ月の稼働日数 |
15日 |
15日 |
| 生産時間の秒換算 |
1,264,500秒 |
1,296,000秒 |
| 1ヶ月(15日)の生産個数 |
316,125個 |
368,968個 |
| 製品単価 |
6.11円 |
6.11円 |
| 成形機エラー停止日数(※) |
31,500秒 |
0秒 |
粒断機を導入したメリット① では「生産数と金額」で表現しています。
1か月の稼働が15日ですが、その間の生産個数はサイクルタイム短縮が功を奏して月に52,843個増産できました。それに製品単価の6.11円をかけると、なんと月に322,871円の売り上げ増額となりました。メリットは明白です。
粒断機を導入したA社様のメリット② (生産時間)
- 短縮できる時間 → 40時間38分
- 生産予定数量を30万個とした場合の比較値となります
| |
他社粉砕機 |
ハーモ粒断機 |
| 取り数 |
8個 |
8個 |
| 成形サイクル |
32.0秒 |
28.1秒 |
| 生産数量 |
300,000個 |
300,000個 |
| 必要ショット数 |
37,500ショット |
37,500ショット |
| 所要時間(秒) |
1,200,000秒 |
1,053,750秒 |
| 所要時間(分) |
20,000分 |
17,563分 |
| 所要時間(時間) |
333時間20分 |
292時間42分 |
粒断機を導入したメリット② の主題は「生産予定数の30万個を生産するのに月にどのくらい短縮できるか」です。結果は40時間38分でした。これもメリットは明白です。
前編の「粒断機が、粒のそろった粉の少ないリサイクル材を生み出すのはよくわかりました。サンプルカットもいい結果でした。しかし、成形品の良さは数字にできないから、稟議書が提出できない」という疑問にこれで答えることはできないでしょうか。
粒断機のデモ機貸出やサンプルカットをご活用ください
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リサイクル材による材料のブリッジや計量時間の不安定に悩むお客様はぜひともご相談をお願いいたします。貸出機やサンプルカットやも常時受け付け中です。
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