リサイクル成形品の品質では採用されにくい!?
粒断機でカットした粒断材(再生材)が質のいいリサイクル成形品を生み出すということは何回かブログやWebセミナーでご紹介してきましたが、あるお客様から、ショックな言葉を聞いてしまいました。
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それは「粒断機が、粒のそろった粉の少ないリサイクル材を生み出すのはよくわかりました。サンプルカットもいい結果でした。しかし、成形品の質の良さは『数字』にできないんだよね。だから、稟議書が提出できずにいるんです」という言葉でした。
聞きたくはない言葉でしたが、確かにコストダウンとして挙げるのはそう簡単ではないかもしれないと思いました。今まで、お客様に営業が提案していた内容は下記のようなものでした。
提案1
「従来、リサイクル材(粉砕材)を混合活用していなくて、粒断機を採用することによって今回新たにリサイクル材を使用するようなれば、その使用分だけバージン材の使用が減るので、コストダウンの効果で稟議書を提出できます」
提案2
「従来、リサイクル材(粉砕材)を〇〇%混合活用していて、粒断機を採用することによってリサイクル材を今までより率の多い〇〇%混合活用してするようになれば、その差し引き使用分だけバージン材の使用が減るので、コストダウンの効果で稟議書を提出できます」と言っていました。
前者はコストダウン効果を比較的出しやすいのですが、後者は品質の差が見にくいため確定が難しいという場合があります。ましてや、精密成形品や外観重視部品、透明ものでなければ、ある程度の品質劣化は目をつむるのでなないでしょうか。さらに言えば、粒断機は他社の低速粉砕機などと比べると、特許を取った特殊構造の刃にコストがかかっている分、割高なので、採用されにくい面があります。
粒断機を採用する「品質以外」の理由とは?
ここだけの話、粒断機は毎年コンスタントに1200台以上売れています。
ということは買ってくださる理由があるはず。
その理由は何でしょうか?
実は「サイクルタイムの短縮」ができるからなんです。
「え?粒断機でサイクルタイムの短縮ができる?」と不思議に思うでしょう。それができる理由は「計量時間の短縮」が可能だからです。
粒断機をご購入いただいて、従来の他社粉砕機と明らかに違いが出る2つの内の1つがこれだという声が多いのです。これはどうしてか。
粒断機はなぜサイクルタイムを短縮できるのか?
計量時間がばらつく原因を考えると「なぜ短縮できるのか?」が理解できます。
その原因は種々考えられますが、原料(ペレット)側で大事な条件のなかで、「材料(ペレットと粉砕材)側で大事な条件」は下記の3つです。
1. 乾燥がしっかりできていること
樹脂に水分が残っていると溶け方がバラバラになり、スクリューの回り方も不安定に。その結果、計量時間にムラが出やすい。これを解決するには乾燥機で規定時間・温度を守ることが基本です。
2. ペレットの大きさや形が揃っていること
ペレットが細かすぎたり、大きさにばらつきがあるとスクリューへの供給量が不安定に。計量時間が長くなったり短くなったりする原因になります。
3. ホッパーから安定して落ちてくること
ホッパーの中で「ブリッジ(詰まり)」や「ラットホール(偏って落ちる現象)」が起きると、樹脂が一定に供給されません。
【供給ムラ → スクリューの後退スピードが変わる → 計量時間が乱れる】
ホッパーローダーや撹拌機を使って安定供給を確保します。
上記の中で(2)に注目すると、「ペレットの大きさや形が揃っていること」により、下記のメリットが考えられます。
- スクリューへの供給量が一定になる
- 溶け方が均一になる
- スクリューの摩擦加熱が安定する
大手ユーザーである『自動車車部品メーカーのA社様』もこの点に注目して合計数百台の粒断機購入を決めて頂いたという実績もあります。
次回後編は、実際に購入されたお客様がサイクルタイム短縮がどれくらいできたか?検証します。ご期待ください。
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