専門家に取材しました。取出ロボットのチャック板の作り方(基本編)

専門家に取材しました。取出ロボットのチャック板の作り方(基本編)|株式会社ハーモ

最近はお客様の生産技術部門、もしくは、いわゆるチャック板担当の方が自分たちでチャック板を作製されることが多くなりました。
金型の数だけ製品チャックの方法があります。チャック板作りは金型が新しくなる限り続きます。「いかに確実に、かつ安価にチャック板を作るか?」は成形現場において大切なテーマです。

基本編ではまずチャック板作成の考え方から確認していきましょう。

このページの目次

  1. 製品をどのように取り出すかを考えよう
  2. 製品を取り出した確認をどのように取るか
  3. 製品を取り出した後どうするか
  4. 安全ドアクリアの問題
  5. 金型の型開き量に注意する
  6. 吸着の跡(マーク)をつけたくない場合
  7. 「専用チャック板」「汎用チャック板」どちらにするかの判断基準

 

製品をどのように取り出すかを考えよう

チャック板はまず、金型からどのように取り出すかを考えます。取り出す方法は大きく分けて以下の方法が考えられます。

取り出す方法

掴むまたは、挟む
  • レバーチャック、ミニシリンダー
パットで吸着する
  • 吸着パット
バケットで吸引(大容量)する
  • 大容量エア吸引装置
スプルだけ取って製品は下に落とす
  • 爪タイプチャック

上記を複合して取り出す方法もあります。

 

製品を取り出した確認をどのように取るか

取り出したら、次に「確かに取り出した」という確認を取ります。確実に取り出さないと、金型に製品が残っていて型締め時に「二度押し」してしまい、金型の破損につながる場合もあります。
また、生産管理上、いくつの製品が取り出せたかのカウントも曖昧になります。従って製品が細かくて取り出し確認ができない場合を除いては何らかの方法で取り出し確認をする必要があります。確認の方法は下記のようなものがあります。

確認の方法

挟む・掴む場合などのリミットスイッチ確認
  • ミニシリンダ・S/W付き
はさむ・つかむ場合などの近接センサ確認
  • ミニシリンダ・センサ付き
吸着する場合の吸着確認(真空度で確認)
  • 吸着パット
  • チャックで取り出して確認だけのために1か所吸着する場合も有効
バケットに吸引したときなどの近接センサ確認

その他、複数の微細な製品を複数まとめて吸引(バキューム)する、またはスプルだけ取って製品は下に落とす場合などは取り出し確認が取れないので、取り出した後に、金型監視装置などで金型内に製品残りがないかを確認する方法があります。

 

製品を取り出した後どうするか

製品をどのよう取り出すのかを考えると共に、取り出した後、「製品をどう処理するか」を考えます。それによってチャック板の作り方が変わってくるからです。
処理方法には以下のものがあります。

取り出し後の製品処理

取り出したまま解放
  • 姿勢制御水平にてコンベヤまたはストッカーに解放
製品とスプル分けて解放
  • チャック板前面に製品吸着パット
  • 後面にチャック紙にシリンダ配置など
キャビ分けする
  • 回収装置(落下または吸引)が必要
  • 必要に応じて製品1個ずつ個別バルブで解放
箱詰めする
  • 必要に応じて製品1個ずつ個別バルブで解放
ゲートカットする
  • 水平に置くためランナをチャック板内でラフ切り、または待機ニッパで正確に切る
    (この場合、ニッパ寄せ付け応力に負けて動かないようにしっかりチャック)
    (刃に入りやすい構造にする)
カメラ検査をする
  • 姿勢制御のサーボ駆動で検査箇所に角度をつけてカメラに当てて検査
  • もしくは一旦解放して、カメラ検査装置で360度見て、再度チャックして良品のみ解放

 

安全ドアクリアの問題

最近の成形機は安全ドアが高くなり、取り出したままの姿勢制御垂直のままでは通過時に安全ドア部分をクリアできない場合があります。その際は姿勢制御水平にして、なおかつチャック板がサブアームに干渉しないようにします。

そのために上下のバランスが取れるように「チャック板のセンターに取り付けるか」「吊り下げ式にするか」も考えます。また、製品の厚みも考えて、干渉しないように考慮して設計しましょう。

 

金型の型開き量に注意する

型開き量が少ない場合、厚いチャック板を作ると金型内にチャック板が入っていけない場合があるので、引き抜き量と製品厚みを考慮して作成しましょう。
また、吊り下げ式にしてロボットアームの厚みのある部分を金型内に入れない方法も考えましょう。

 

吸着の跡(マーク)をつけたくない場合

吸着は取り出しも確認も一番確実で簡単な方法ですが、欠点は吸着の跡(マーク)が付く場合があることです。外観部品などはマークは問題になりますし、成形後には見えなくても、後加工で塗装やメッキをすると出てくることもあります。

吸着の跡(マーク)をつけたくない場合

チャックなどの吸着方法以外の取出し方を考えましょう。最近はマークレスの吸着パットもあります。弊社含め、メーカーのマークレス(跡が付きにくい)吸着パットも考えましょう。

 

「専用チャック板」「汎用チャック板」どちらにするかの判断基準

汎用チャック板とは

チャック板の枠やボードに長孔の空いたレールをつけて、上下左右にバッファを設置。吸着金具やミニシリンダ、レバーチャックの位置を可変できるように組み立てたものです。

ハーモの汎用チャック板(例)

A6A7タイプ_MCY-2015使用例|ハーモの汎用チャック板 (1)

汎用チャック板とは、ベースになる「ホルダー」や「吸着スライド金具」「ミニシリンダ」「ツメ」「スライドレール」など既存のパーツを組み合わせて、加工することなくチャック板が組み立てできる商品群のことです。スライドレール等を使えば上下左右の調整幅が持てるので、類似の金型にも兼用でご使用できます。

 

「専用チャック板」「汎用チャック板」それぞれのメリット

段取り時間を考えると、「1つの金型に1つのチャック板(専用チャック板)」の方が調整時間がなくメリットがあります。しかし、設計や加工にコストと時間を要する場合があります。

汎用のメリットはコスト面が安価なのと、部品の組み立てでできるので設計や加工の必要がないことです。また、類似する金型であれば位置調整で兼用できるメリットもあります。ただし、「既存部品なので応用が利きにくい」「兼用にすると調整時間が必要」については事前の検討が必要です。

「専用チャック板」「汎用チャック板」、それぞれのメリットを検討して選択してください。

 

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