トータルリンクの実機見学でご来社のお客様
先日、ハーモの本社工場にあるお客様が工場見学に来てくださいました。一番のご希望は弊社のトータルリンクの実機を見学したいとのご要望でした。
トータルリンク は弊社のオリジナル機能で、取出ロボットで温調機や乾燥機などの「一括設定」「一括起動」「一括モニタ」ができる優れものです。
その目的はロボットが周辺機器を監視することにより、射出成形における「自動化」や「品質向上」そして「コスト低減」を進めることです。
工場見学にいらっしゃったお客様は店舗などで使う什器など、あらゆるアイテムを金型から成形まで行い、金型交換も多く、最近、コスト削減の一環で多品種少量生産に大きく舵を切ったそうで、まさにトータルリンクの機能をプレゼンしたら、現場の課題がトータルリンクで解決できることばかりで、ドンピシャ過ぎて私も驚きました。どんなプレゼンがドンピシャだったか以下に説明します。
ロボットの金型メモリに周辺機器の設定を記憶
怒る上司と怒られる部下のやり取りが正に起きている
まずは、「ロボットの金型メモリに周辺機器の設定を記憶」これにまず、お客様はうなずかれました。まさにBeforeの怒る上司と怒られる部下の通りのやり取りが、自社で行われているからだそうです。
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材料乾燥機の温度設定や乾燥時間設定にミスが起こるようでした。成形機のオペレーターの方は一人で成形機を5台ほど見ているそうです。正直なところ、その台数はそんなに多くないとは思いましたが、それ以上に段取り替えが多いのでしょう。焦りからかヒューマンエラーが起きていました。
そんな時こそ、トータルリンクの「ロボットの金型メモリに周辺機器の設定を記憶」機能の出番です。これであれば温度設定のミスなどが起きません。
周辺機器の異常発生、運転停止等をロボットがお知らせ
成形工場のあるある


次に「周辺機器の異常発生、運転停止等をロボットがお知らせ」機能です。これも、あるあると、頷かれていました。「温調機のスイッチを入れ忘れた」「乾燥機が止まっていたとか」があるそうです。
先日、あるお客様もいつのまにか、周辺機器が停まってることがあるんですと仰っていました。やはりあるんですね。「突然の落雷で電気が瞬時停止してしまって再起動し忘れる」とか、「誰かが勝手に機械を止めてしまっている」とか。「膝の高さにある温調機にぶつかって止まってた」とか…
しかも周辺機器が止まっていても、ブザーがなることはほぼないんですよね。トータルリンクならリンクしている周辺機器が止まりようものなら、それこそ大きな音で知らせてくれます。音が大きくないと成形工場の中では聞こえませんものね。
良品・不良品・要検査品の自動振り分け機能
製造を止めない優しい機能


次にご紹介したのが「周辺機器の温度・水流量、異常、電源遮断、運転停止を監視し、 ロボットが【要検査品】として振り分けする機能」です。
機械が止まらないまでも現在温度の微妙な変化、温調機の媒体水流量の微妙な変化を予め設定されたしきい値から外れたら、お知らせします。それと同時に製造を止めてしまわずに、オペレーターさんが来るまで「要検査品」置き場に持っていきます。
しかも、その回数や置き場所も設定できます。まさに機械を止めずに良品と周辺機器異常時の要検査品を混在させない機能です。オペレータの方は「要検査品を指定の置き場に持って行ってくれる時間があるのはありがたいし、優しい機能だ」と感じてくれたようです。
生産終了時の周辺機器自動オフ機能
無駄な電気代はぜったい出さない

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次は「ロボット自動運転停止時に、 周辺機器へ生産終了指示をしてお知らせ」機能です。 これは生産終了時のお話ですが、生産が終わっても温調機のスイッチや乾燥機のスイッチが入りっぱなし、粉砕機やローダーも空運転のまま放置。こういうことありませんかと言ったらオペレーターさんは耳が痛いようでした。
工場長さんは「私はこのチェックを必ずしている」と言っていました。特にヒーターを使う温調機や乾燥機の運転放置は無駄な電力を大きく消費してしまいます。電気代は昨今なかなか安定しないので、人による管理ではなく、自動でスイッチオフしてしまいましょう。
材料適量輸送機能
意図しない無駄な材料の供給は避けたい


次に材料適量輸送です。一番具体的に反応して頂いたのはこの機能です。成形終了なのに材料搬送ローダーは最後まで決められた秒数分吸い上げるので、成形機上のホッパーには無駄な材料が残ることも。ホッパー内の材料なら材料抜きは可能かもしれませんが、上にある材料は抜くのがそうそう簡単ではありませんよね。ましてやホッパ下に入ってしまったらこれは材料をパージするしかありません。
意図しない無駄な材料の供給は避けたいものだという話をしたら、工場長さんは、実はこのパージの量を測っていたらしく、年間1.6トンパージ団子を廃棄していたそうです。しかも全部業者にお金を払って回収してもらっていました。
今ではパージ材混合前の状態で材料ごとにリサイクル材として団子を買い取りしてくれる業者さんが見つかったそうですが…でもパージ団子は小さいに越したことはありません。
この機能は成形終了直前の材料供給を必要最小限に抑える機能です。実際に使っていただいたお客様でもパージ団子の大きさが半分になったという事例もありました。
金型温調機 自動冷却・自動パージ機能
あああ


最後にご紹介したのが、「金型温調機 自動冷却・自動パージ機能」です。この機能は生産終了時に金型冷却のための水回しや、その後の水のパージを行う機能ですが、このお客様でも高温の場合はチラーの低温水を回していたりしたそうです。しかし、パージせずに金型をしまってしまうこともあったそうです。金型の冷却と水抜きはやはり便利だと理解して頂けました。
工場見学に来られた工場長さんは、「プレゼン頂きました『トータルリンク』に付きましては、弊社の問題が全て盛り込まれておりびっくりしました。(透けて見えていますか。ぐらい合ってました)」とも言われていました。またオペレータの若手係長さん、製造課長さん、生産技術課長さんの皆さんも、日々のお仕事の中での課題を教えて頂き、いろいろカスタマイズしながらこのトータルリンクを導入していきたいと仰っていただき、有意義な時間となりました。
「トータルリンク実演」の動画
最後に、IPF2023のハーモブースで行った「トータルリンク実演」の動画を添付しますのでどうぞご覧ください。
トータルリンクの実機見学にお越しください
成形現場のさまざまな課題を解決するトータルリンクの有用性は実際にご覧いただくのが一番です。ぜひハーモ工場まで見学にお越しください。
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