国の省人化支援策と射出成形

国の省人化支援策と射出成形|株式会社ハーモ

国の省人化支援策

2023年11月9日の日刊工業新聞によると、経済産業省は中小企業関連施策として2023年度補正予算案に総額4000億円を計上する方向性を固めたようです。
中でも、人手不足に対応した省人化投資を行う事業者への支援策として「省人化投資補助事業」に1000億円を計上し、事業継承や生産性向上を後押しすると報じました。
また、現在の「事業再構築基金」の一部を充当するなど、補正予算の1000億を含め省人化補助事業全体では5000億円を想定しているとも報じています。総額13兆円とも言われている補正予算の約3%に及ぶ4000億円は補正予算規模として大きな予算配分と言えそうです。

射出成形加工業の現状と課題

労働人口の減少、就業者の高齢化、若者の製造業離れ、有給休暇取得促進の法令化などを背景に人手不足は深刻化しており、成形現場では人員不足による成形オペレーター1人当たりの受け持つ成形機の台数は増加する傾向にあります。
厚生労働省の統計によると、生産年齢人口は2020年の7708万人から2036年には6300万人へ減少し、就業者数は16.1%減少するとの報告があります。
これを成形現場作業者へ単純に置き換えると、射出成形機40台を5人の作業者で受け持つ成形現場は2036年作業者は4人に減少し、作業者一人当たりの受け持つ成形機台数は、8台から10台へ増加することになります。

射出成形機40台を5人の作業者で受け持つ成形現場
  2023年 2036年
作業者の数 5人 4人
作業者ひとりが受け持つ成形機台数 8台 10台

このため、「段取り時間を短縮できない」「ヒューマンエラーにより不良品を次工程へ流出してしまう」「成形機の稼働待ち時間を削減できない」「夜間の操業ができない」など、人手不足による生産性向上や製品品質に関しての課題は増加することが予測されます。

課題を解決する周辺機器

段取り作業の省人化

作業者一人当たりの受け持つ成形機台数の増加に伴い、受け持つ周辺機器台数も増加し、周辺機器の設定や起動・停止等、現場作業の回数も増加します。
周辺機器の段取り作業を自動化することができれば、現有人員でも生産性向上を見込めます。

取出しロボットのトータルリンク機能

取出しロボットのトータルリンク機能を活用すれば、作業者に頼らず周辺機器を一括で設定・起動・停止することができ、段取り作業を省人化できます。ハーモ製品サイト|トータルリンク |ogp (1)

省人化の例

成形機1台当たりの段取り替え月5回、複数台の周辺機器の設定・起動・停止に伴う作業時間を各10分と仮定した場合、年間作業時間は30時間となります。
一人の作業者が8台の成形機を受け持つとしたら240時間となり、自動化した場合、作業者一人当り年間30日分の省人化に相当します。

  • (設定10分+起動10分+停止10分)×月5回×12か月÷60分=30時間
  • 30時間×8台÷8(一日の労働時間)=30日

トータルリンクの製品ページを見る

 

品質管理の省人化

成形中の作業者は「製品品質の確認」「完成品の次工程への移動」「次の成形に必要な外段取り」など、多岐に及びます。
特に周辺機器の異常による不良品の発生は気付きにくく、次工程へ不良品流出を防ぐことが難しいとの声をお聞きします。

取出しロボットのトータルリンク機能

取出しロボットのトータルリンク機能を活用することで量産中の周辺機器を取出しロボットが常時監視します。

自動で不良品選別。ヒューマンエラーの予防

金型温度調節器の媒体流量や媒体温度、乾燥機の乾燥温度、他周辺機器の異常を感知すると取出しロボットが自動で不良品選別動作行い、周辺機器異常に起因する不良品の次工程流出を防止します。
また、周辺機器の初期設定ミスや周辺機器の起動忘れなど、ヒューマンエラーによる不良品の発生を防ぐこともできます。ハーモ製品サイト|トータルリンク |ogp (1)

省人化の例

量産成形中の成形品品質確認作業を1時間おきに3分行うとすると、一日16時間稼働とした場合、一日当たりの品質確認作業の時間は48分となります。年間稼働日を245日と仮定すると、196時間を充当することになります。
これを自動化すると日数換算で24.5日分の省人化となり、一人当たりの受け持つ成形機が8台と仮定すると、196日の省人化に相当します。

トータルリンクの製品ページを見る

 

夜間自動運転の省人化

仕事はあるが夜間の作業者を確保できず24時間稼働できない。3~4時間無人運転できれば、今の人員でも必要生産数を確保できる。といった声をお聞きします。
このような成形現場の課題は『自動ストッカー』で解決できます。

自動ストッカーによる省人化

ハーモ製品サイト|ストックシステム&コンベヤの一覧|ogp (1)

自動ストッカーの製品ページを見る

 

袋詰め作業の省人化

成形後検品された成形品は、納品形態に合わせて梱包する必要があります。特に袋詰め作業は人の手に頼るため、製品の員数不足やラベルの張り間違え等、ヒューマンエラーを伴います。
このような課題は『自動梱包機』で解決できます。

自動包装機による省人化

ハーモ製品サイト|自動包装機|LMシリーズ|ogp (1)自動包装機の製品ページを見る

 

2軸サーボ駆動スイングロボットによる省人化

エアー駆動のスイングロボットの段取り替えは、① 駆動源である圧縮空気を減圧してから ② メカニカルストッパーを動かし、③ 取出し位置を調整する必要があります。この作業は成形機上へ作業者が登り、位置を目測しながら粗調整を行った後、最終微調整を行う必要があり、場合によっては二人の作業を必要とします。

この作業にかかる時間を取り出しロボットで短縮することで省人化を実現できます。

取り出しロボットによる省人化

EX-4_mini

省人化例

エアー駆動スイングロボットの段取り作業プロセス
  1. 工具の準備
  2. 成形機上へ上りスイングロボットの圧縮空気を減圧する
  3. 工具を使い上下・前後のストッパを緩め位置調整を行う
  4. 成形機から降り、金型内の位置を確認し微調整を行う
  5. 再度成形機上へ登りネジを増し締めし、圧縮空気を昇圧する
  6. 成形機から降りて自動運転の動作を確認する
  7. 所定位置へ工具を戻す
  • 作業開始から終了までおよそ 15分~20分

サーボ駆動スイングロボットの段取り作業プロセス

  1. ロボットコントローラの動作メモリを呼び出す
  2. ステップ動作で上下・前後ストロークを確認
  3. 自動運転の動作を確認する
  • 作業開始から終了までおよそ 3分~5分

日数換算で12日の省人化に相当

段取り替え月5回、段取り替え削減時間12分とした場合、年間段取り替え削減時間は12時間となります。作業者一人当たり8台の成形機を受け持つとすると、日数換算で12日の省人化に相当します。

EXZ-Ⅱの製品ページを見る

 

まとめ

省人化投資補助事業を活用し、人手不足を解消させたいとお考えの成形加工業者様は「取出しロボットのトータルリンク機能」「自動ストッカー」「自動梱包機」「2軸サーボ駆動スイングロボット」の導入により省人化対応による生産性向上を実現できます。

省人化対策についてご相談ください

省人化のお悩みはハーモの周辺機器の導入で解決できるかもしれません。成形現場のお困りごとをお気軽にご相談ください。

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