IPF2023『お客様の悩みアンケート』の結果と生産性向上

IPF2023『お客様の悩みアンケート』の結果と生産性向上

IPF2023 お客様の悩みアンケートの結果

20231128日から121日まで開催されたIPF2023は、5日間で延べ38000名の来場を賜りました。その中から、ハーモブースへお越し頂きました延べ3000名強のお客様へアンケートを行た結果、様々なお客様のお悩みを確認させて頂きました。

アンケート結果

成形現場での悩み

成形現場での悩み_IPFアンケート|株式会社ハーモ

人手不足 12.5%
自動化生産性向上 21.5%
段取り時間短縮 11.7%
成形品質改善 6.4%
原価低減リサイクル 16.4%
人的ミス防止 3.2%
カーボンニュートラル 5.7%
省スペース  7.2%
工場環境改善 7.7%
その他 7.7%

成形現場において「自動化生産性向上」に関するお悩みを持たれているお客様が一番多かったことが分かりました。射出成形において生産性向上は、人に起因するもの、設備に起因するもの、時間的制約に起因するものなど多岐に及びます。
以下では射出成形の生産性向上へ向けた具体的取り組みについてご紹介します。

このページの目次

 

生産性向上とは

生産性とは「投入された資源に対する生産物の割合を示す指標です。
生産性=生産物÷投入資源 で表せます。

投入された資源に対する生産性を測るには、「生産物が最終的にどれだけの付加価値を生んだか」の計測が求められます。また、生産性の指標は「投入される経営資源」によりさまざまな項目に分解することができます。

生産性の指標(投入される経営資源)

具体的には「労働生産性」「面積生産性」「設備連続生産性」「資本生産性」などに分解し、項目毎に改善指標を定め、PDCAサイクルを回すことが重要となります。

労働生産性

一人当たり・時間当たりなどに分解できます。

面積生産性

工場全体の面積当り・単位面積当たりなどに分解できます。

設備連続生産性

段取り時間・手待ち時間の削減による生産性・設備異常のダウタイムによる生産性などに分解できます。

資本生産性

人・物・金・情報・新たな技術など、トータルな経営資源の投入に対して生産性を測る、全要素生産性TFP(Total Factor Productivity)の考え方を用いるケースもあります。

最優先課題である生産性向上

IMD(国際経営開発研究所)の「世界競争力年間」によると、日本の生産性・効率性等の国際競争力の指標は2014年以降下がり続けており、生産性の向上は日本の国際競争力の視点からも、最優先課題と言えるでしょう。

生産性向上の対応策

生産性向上への対応は「仕入れ価格低減」「投入材料の低減」「業務の効率化」「遊休資産の削減」「新たな技術の開発」などが考えられます。

インフレ局面においては、材料や電力等の仕入れ価格低減策にも限界があります。また、遊休資産の削減は、全要素生産性の向上には繋がりますが、直接キャッシュを生み出す改善には繋がりにくいことから、付加価値を高める生産性向上への対応策としては、業務改善を通じた業務の効率化や、投入原材料の低減等が有効な対応策と言えそうです。

では業務効率改善や投入原材料低減へ向けて、どのようなプロセスが考えられるかみてみます。

1. 現状分析と課題整理

現在の業務プロセスを洗い出し、課題を整理してみます。

射出成形現場において、金型投入から製品出荷までの間の工程を細分化し、工程毎の労働生産性、面積生産性、設備連続生産性等の生産性項目に当てはめ、何処にボトルネックが発生しているか、重複している業務は無いか、自動化できる業務は無いか等を確認しておくことをお勧めします。

2. 無駄な工程の洗い出し

整理された課題に基付いて、無駄な工程は無いか洗い出しを行います。

生産計画に基つき、生産計画通りに金型は投入されているか、実際の成形開始時間は生産計画と差異は無いか、量産は計画通りか、計画通りに良品を生産できているか、投入する原材料は削減できないか等について、無駄な工程を洗い出しておくことをお勧めいたします。

3.新たな技術の導入

洗い出された無駄な工程は、RPA(ロボットプロセスオートメーション)による自動化に置き換えることをお勧めします。

具体的には「人による段取り工程を自動化する」「人による搬送や梱包工程を自動化する」「人による選別や検査工程を自動化する」「人による製品加工工程を自動化する」などがあげられます。
また、「面積生産性の高い設備を検討する」「連続生産性の高い設備を検討する」などの新たなテクノロジーを導入することをお勧めします。特に、人手不足や働き方改革の推進など、人が係わる工程の改善は最重要課題かと思われます。

RPAについての詳細は RPAと射出成形|射出成形のRPAを推進する『トータルリンク』 をご覧ください。

4. 従業員教育とスキルアップ訓練

新たなテクノロジーの導入には抵抗を感じることもあります。特に、今までのやり方を変えることは、現場レベルで受け入れて頂けないとのケースを良くお聞きします。そのためには「生産性向上の必要性やメリットなどの教育」や「新たなテクノロジーへの訓練の充実」も検討しておく必要がありそうです。

 

射出成形における課題と対応策

労働生産性の向上

射出成形における製造工程は複数工程に及びます。

具体的には「金型脱着作業」「樹脂の供給作業」「樹脂の予備乾燥」「金型温度調節機の配管装着」「金型の予備加熱」「成形条件出し」「サンプル確認」「量産、製品回収や箱詰め」「製品品質の検査」「成形終了時の樹脂換え」「樹脂乾燥機の清掃」「粉砕機の清掃」「金型温度調節機媒体の回収と配管はずし」など多岐に及びます。

限られた人員による成形作業は「作業者一人当たりが受け持つ成型機台数の増加」という新たな問題を生み、結果的に生産性が向上しないといったお悩みをよく聞きます。

よく聞くお客様の声

  • 成形を終了しても次の成形の段取りが遅れる
  • 量産中の不良品流出に気がつかない
  • 生産計画通りに生産できず、生産性が向上しない

ハーモの製品が課題解決のお役に立ちます

予期せぬ不良品流出、段取り時間や手待ち時間削減、材料や製品の搬送や梱包、人によるゲートカットなどの一人当たりや時間当たりの生産性向上へ向けた課題解決には、トータルリンクを中心とした自動化機器で解決できます。

 

投入材料量の生産性

射出成形における投入材料には、金型鋼材・樹脂原料・副資材などがあります。中でも樹脂材料は製造原価の多くを占めるため、樹脂材料の投入量低減は生産性向上に大きな影響を及ぼします。

生産性向上につながる投入材料量の低減

今までリサイクルできなかったスプールランナーをリサイクルすることは、投入材料量の低減による生産性向上に繋がります。しかしながら、リサイクル材使用による成形品の品質低下を懸念し、リサイクルを諦めておられるお客様も多くおられます。このような課題は、粒度が均一で粉の少ない特徴を持った『粒断機』で解決できます。ハーモ製品サイト|粒断機SPCIISPCIIIシリーズ|ogp (1)

粒断機の製品ページを見る

余分な樹脂パージをしないでムダな材料を削減

また、成形終了後、樹脂換えの際にパージされる樹脂は成形機上のホッパーに残された樹脂までパージするケースを良くお見かけします。成形終了にあわせて最小限の樹脂を供給することができれば、余分な樹脂パージをせず投入材料量を削減でき、生産性向上に繋がります。このような課題解決には『トータルリンク』がお役に立てるかもしれません。ハーモ製品サイト|トータルリンク |ogp (1)

トータルリンクの製品ページを見る

 

成形機一台当りの生産性 

射出成形において「成形機一台当りの生産性」は重要な指標となります。このため、成形サイクルタイム短縮や金型一面当りの製品の取り数を多くするなど、生産性向上への取り組みを行われてます。

特にサイクルタイムの短縮においては、射出時間・保圧時間・冷却時間は成形品の品質に影響を及ぼすために短縮できないこともあります。よって、金型が開いて製品を取り出す時間を如何に短縮するかは、成形機一台当りの生産性向上に繋がります。

サーボ駆動ロボットが生産性向上に貢献

スイングタイプロボットによるスプルランナー取り出しにおいて、未だサーボ化が進んでいないお客様の場合、製品を自動落下させスプールランナーを取り出しているお客様の場合、高速ランナー取出し可能な『EXZⅡ』が生産性向上のお役に立てるかもしれません。EXZ2_600F_mini

2軸サーボ駆動タイプ『EXZⅡ』の製品ページを見る

 

面積生産性に貢献する工場レイアウト

射出成形における付加価値は、成形品の生産量に比例します。よって、工場面積当り如何に多くの成形品を生産できるかを考える場合、「工場当りの成形機台数」は生産性に大きな影響をもたらします。

特に、設置スペースが大きい500トン以上の成形機を保有する工場では、限られたスペースにできるだけ多くの成形機導入を検討されるお客様を多く拝見します。

一方、多品種小ロットで金型交換が頻繁であったり、成形品の2次加工工程を有するお客様では、金型交換や段取り換え時間短縮、2次加工工程との工程間の導線を考慮したスペースを確保し、面積生産性と労働生産性の両面から、工場レイアウトを検討されているお客様もおられます。

このため面積生産性のみならず、工場トータルの生産性向上には、工場レイアウトの検討は重要な要素となります。ハーモ製品サイト|スマートファクトリー& 工場レイアウトのご相談|ogp (1)

工場レイアウトのご相談ページを見る

射出成形での省スペース化で面積生産性を向上する縦走行ロボット

生産性向上に貢献する工場の省スペース化|射出成形の周辺機器メーカー|株式会社ハーモ 詳しく見る

設備連続生産性に貢献するトータルリンク

射出成形において、成形機を止めている時間は付加価値を生みません。射出成形機のチョコ停や、段取り換え待ち状態での停止時間はダウンタイムと言われ、いかにダウンタイムを削減するかは、生産性向上の大きな要素となります。

  • 落雷による周辺機器の停止に気付かず成形を継続して不良品を作ってしまった
  • 作業者が別の作業をしていて、段取り換えができず成形機が止まっている
  • 既に成形終了しているが、周辺機器は動き続けている

連続生産性向上に対する課題を良くお聞きします。このような課題を解決するのには『トータルリンク』がお役に立てるかもしれません。

トータルリンクの製品ページを見る

 

生産性向上のメリット

ワークライフバランスの改善や従業員満足度向上

一人当たりの生産性向上や時間当たりの生産性向上は、無駄な残業の削減やフレキシブルな勤務体制を可能にし、ワークライフバランスの改善や、従業員満足度を高めることができると共に、「働き方改革」の実現にも繋がります。

企業競争力の向上

全要素生産性の向上は、経営資源の有効活用による付加価値の増大を実現し、企業規模に係わらず企業競争力向上に繋がり、日本の国際競争力を高めます。

製造原価低減

労働生産性向上や投入資源低減による生産性向上は、製造原価を低減することができ、低減されたコストは社員教育や環境改善に活用できます。

 

生産性向上支援策

生産性向上は経済産業省の重点施策であることから、以下の支援策が講じられています。

生産性向上特別措置法

平成3066日に施行された「生産性向上特別措置法 」は中小企業の生産性向上に向けた設備投資を後押しするもので、市町村の判断により、新規取得設備の固定資産税の課税標準額を3年間、01/2の間で市町村が定める割合に軽減できる特別措置です。
現在は令和3616日施行の「中小企業等経営強化法 」へ移管されています。

生産性向上に資する設備投資促進税制

中小企業事業者等が中小企業経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基つき、設備取得しその指定する事業に使用した場合、設備の即時償却又は10%の税額控除を受けることができます。

生産性向上に係わる補助金 

中小企業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させて為の設備投資等を支援する補助金として、「ものづくり補助金 」があります。

河口尚久|ハーモ

生産性向上についてのご相談

成形現場の課題や悩みはハーモの周辺機器で解決できるかもしれません。生産性向上についてお気軽にご相談ください。
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