● レポート

ハーモウェブセミナーレポート『電気料金値上げに対応する成形工場の省エネ対策とは』

ハーモウェブセミナーレポート『電気料金値上げに対応する成形工場の省エネ対策とは』

2022年7月28日に開催したハーモウェブセミナー『電気料金値上げに対応する成形工場の省エネ対策とは』のセミナー動画と内容を掲載しています。成形工場における省エネの課題解決にぜひご覧ください。

 

ウェブセミナー資料をダウンロードできます

電気料金値上げに対応する成形工場の省エネ対策とは|株式会社ハーモ|20220728セミナー用_page-0001

セミナーの資料をご用意いたしました。ダウンロードしてご活用ください。『成形工場の省エネ対策』のダウンロード資料を見る



 

ウェブセミナーの内容

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  1. 電気料金値上げの現状と今後の予測
  2. 成形現場でできる省エネ対策
  3. 省エネに貢献するハーモの製品群

 




1.電気料金値上げの現状と今後の予測

セミナー動画はこちら 1:50〜

電気料金値上げ 過去5年で “最高値”

  • 電力4社、8月の電気料金値上げ発表
    (東京電力、北海道電力、中部電力、九州電力)
  • 東京電力の電気料金 過去5年で最高値

なぜこんなに電気料金が値上がりしているのか?

液化天然ガス(LNG)の輸入価格の上昇

日本の電気事業者が発電している電気の多くは石炭や液化天然ガス(LNG)などを燃料とした火力発電からのもの。全体の発電電力量に対して石炭は31%、液化天然ガスは39%も占めていて、石炭と液化天然ガスに依存していることがわかります。
さらに、ほとんどの燃料を海外からの輸入に頼っているため、石炭や液化天然ガスが高騰すると、電気料金も比例して値上がりしてしまうというわけです。


電気料金はこの先どうなる?

電気料金は今後も上昇傾向にある

天然ガス(LNG)と石炭の価格高騰特に「ウクライナ情勢」が今後も長期化する見通しがある事から、天然ガス(LNG)と石炭の価格高騰はまだ続くのではないかと言われている。

国内の電力供給力不足

現在54基の原子力発電のうち、4基しか稼働していない。2011年までは日本で使う電力の30%を原子力でまかなっていたが、現在は4%。加えて火力発電所も休廃止しているため、7年ぶりに電力が足りない状況にある。

再エネ賦課金の値上げ

政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言している。再エネの導入がさらに進むと再エネ賦課金が増加する要因となるため、結果として電気料金は今後も上昇する可能性がある。

 

2.成形現場でできる省エネ対策

セミナー動画はこちら 7:55~

油圧式成形機から電動式成形機への更新

電動式射出成形機の基本構造は射出機構、型締め機構など成形機の各部を油圧装置で駆動するのではなく、サーボモーターにより駆動する方式。

油圧機:制御系の電気量に油圧ポンプ用モータが常時回転している状態がベース
電動機:制御系の電気量がベース

電動機と油圧機の電力差

  • 電動機の冷却時間のサーボモータの電力は0kW
  • 油圧機の冷却時間のポンプモータの電力は、2.5KW

この電気量の差が、稼働時間中ずっと効いてくるので、電動機の消費電力量が大幅に低くなり、省エネ効果となる。(40〜50%程度削減可能)

 

成形機の保温対策(シリンダーヒータ保温)

 加熱筒部を専用断熱保温カバー(シリンダーヒーター加熱筒)で被覆し放熱を遮断し、ヒータ電力および空調電力を削減(省エネ・エコ)する。

効果

3,484千円/年 電気代節約が可能(参照:コンピュータ・シティー株式会社

 

乾燥機のフィルターのこまめな清掃

ダイキン工業、エアコンのフィルター掃除などで15%の節電効果があることを実証

日中6時間のエアコン運転での比較


  • 対策なし 2.6kWh
  • 対策あり 2.2kWh

電力を 約15%削減

 

コンプレッサ供給圧力の適正化や消費設備の低圧化

コンプレッサの省エネで最も重要なことは吐出圧力の見直し。一般的に吐出圧力を0.1MPa下げられれば4~5%程度の電力消費量低減が可能と言われている。

 

各機器のエア漏れの防止、修繕

配管に3mmの穴があった場合

  • 損失電力量は約21,053kW
  • 電気料金としては年間40万円のロス
  • CO2排出量で示すと約9,474kgとなる

電力量の管理、見える化

最大需要電力を抑える方法(デマンドコントロール)で、最大需要電力を抑えて契約電力をカットすることが、電気代削減につながる。

 


3. 省エネに貢献するハーモの製品群

セミナー動画はこちら 16:37~

ホッパードライヤー「断熱コート」装着

ホッパードライヤー断熱コート装着|株式会社ハーモ

一般的なホッパードライヤー

金属性ドラム内へ樹脂を投入し、発熱ヒーターからの熱風をドラム内へ送風し、樹脂を乾燥する。このため、一定時間以上金属ドラムへ供給される熱量は、金属ドラムの外面を通じて室内へ自然放熱される。

解決策

  • 金属性ドラムへ断熱コートを巻きつける
  • 放熱削減=省エネ効果
断熱仕様の電気消費量(乾燥温度100℃)
  電力量料金
(24h稼働)
21日稼働の
電力量料金
21日稼働の
基本料金
電気料金
(1ケ月)
電気料金
(12ケ月)
①断熱コート無し ¥549 ¥11,534 ¥9,266 ¥20,800 ¥249,595
②断熱コート有り ¥496 ¥10,406 ¥9,266 ¥19,672 ¥236,059 
①-②消費電力の差 ¥54 ¥1,128 ¥1,128 ¥13,536

【電気料金計算条件】基本料金単価:¥1,716/1kw/計算電力会社:東京電力/業務用電力(契約電力500kW以上)/電気料金計算式:基本料金+電力量料金

結果

  • 年間 13,536円の電気代節約

 

ホッパードライヤー「排気熱交換器」装着

ホッパードライヤー「排気熱交換器」装着|株式会社ハーモ

一般的なホッパードライヤー

一般にホッパードライヤーへ供給される熱風は樹脂乾燥ドラム内を通過した後、粉を取り除くためのサイクロンへ送られ、室内へ自然排気される。一定時間以上を経過した熱風はドラム内で熱交換されても、排出時ではまだ一定の熱量を蓄えたまま室内に放出されてしまう。

解決策

サイクロンを通過した排気を熱交換器へ通し、交換された熱量を再度乾燥ドラムへ戻す。それにより放熱を削減し、更にフィルターを通過させて排気させることで、室内のクリーン度を保つ。

  • 安定した循環エアによる材料乾燥
    乾燥機より排出される熱風と、新たに送られる乾燥エアが熱交換器を介して熱交換することにより、安定した循環エアによる材料乾燥が行えます
  • ヒーターの消費電力が低減
    乾燥用に取り入れられたエアは送風用のブロワで加熱用ヒーターに送られますが、熱交換器によって昇温されることにより加熱ヒーターの通電量が削減されるために、ヒーターの消費電力が低減されます
  • 空調設備の消費電力を抑える
    乾燥機から排出される熱風は効率の良い熱交換器によって温度が下がった状態で室内に排出されるため、室内に設置されている空調設備の消費電力を抑えることに繋がります
省エネ効果(一例)
機種 80℃設定 100℃設定 120℃設定
THD-25F 標準機 ¥162,499 ¥224,830 ¥297,728
熱交換器付 ¥131,960 ¥160,247 ¥199,967
省エネ効率 18.8% 28.8% 32.8%
省エネ電力 ¥30,539 ¥64,583 ¥97,761

測定状況:気温10~20℃/ブロア吸引温度30℃(一定)/1年間(365日)24時間計算

結果

  • 年間 97,761円の電気代節約

 

除湿乾燥機の「省エネモード」

1126-省エネモード (1)


省エネ効果(一例)
  標準モード エコモード
エア消費量 125ℓ/min 75ℓ/min
コンプレッサー消費電力 ※1 11.36kwh 0.82kwh
月間消費電力量 ※2 ¥13,872 ¥8,364

※1 除湿乾燥運転1時間当たりの実測値
※2 24時間、25日稼働1kw=17円で算出

結果

  • 年間 66,096円の電気代節約

 

トータルリンク「終了時周辺機器自動オフ」機能

成形終了時、ロボット自動運転停止時に周辺機器へ生産終了指示をしてお知らせ

トータルリンクの導入前

CO2削減に貢献するトータルリンク「終了時周辺機器自動オフ」機能|導入前

  • 予定個数を終了してロボットが運転停止後、全ての周辺機器を運転停止しなければならない
  • 電気代がもったいない

トータルリンクの導入後

トータルリンク1-2

  • 予定個数を終了してロボットが運転停止後、ロボットが周辺機器に運転終了を自動で指示
  • ムダな電気代がかからず、省エネに貢献

 

省エネ例(算出例)

「温調機、乾燥機を夜中3時間つけっぱなし」が月に12日あったとする。
年間どれくらいの電気代を削減できるかを算出した場合

結果
  • 年間 24,960円の電気代のムダ削除
    1日10.2kwh(1セット分)×12日=122.4kwh×17円(※1)
    ※1 東京電力 電力量料金単価(円/kWh)

 


 

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