自動車のセンシング技術と射出成形

自動車のセンシング技術と射出成形|株式会社ハーモ

先進運転支援システムの進化

自動車のEV化と共に進められている先進運転支援システムADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)は車の「安心・安全」の実現に向けて、多くのセンシング技術を車に搭載しています。

中でも車載用カメラモジュールは下記の例のように多様です。

  • 前方監視カメラモジュール
  • ドライブレコーダー用カメラモジュール
  • ドライバーモニタリング用カメラモジュール
  • サラウンドビューカメラモジュール

2010年以前は搭載個数4個以下であったカメラモジュールですが、2020年には最大19個まで増えています。今後、自動車のADAS対応の進化に伴い、車載用 カメラモジュールの生産は、更に増加されることが予想されています。

高精度・高速・多機能を必要とされるカメラモジュールの生産設備

車載用カメラモジュールは、国際認証規格であるIATF16946への準拠を求められると共に、製品の「寸法精度」「対候性能」「衝撃性能」など、生産には精密で高度な射出成形技術と自動化技術を必要とします。

レンズ成形後の工程には「製品取り出し」「ゲートカット」「レンズの自動ストック」「カメラモジュールの自動組立て」などの工程を必要とします。

カメラモジュールに必要な鏡筒、リング、ベース等の精密成形部品の成形後工程には、「製品取り出し」「キャビティ毎の製品ストック」「洗浄」「組立て」などの工程を必要とします。

これらの生産工程に於ける自動化設備に対しては、高精度・高速・多機能に加え、クリーンルームへの対応も求められます。

ハーモの取り出しロボットのクリーンルーム対応機種

 

使用されるエンジニアリングプラスチックのリサイクル

車載用カメラモジュールに使用される樹脂はLCP(液晶ポリマー)やCOP(環状オレフィンポリマー)などの寸法精度や光学特性に優れたエンジニアリングプラスチックを用いています。
エンジニアプラスチックの価格は高額である一方、高い製品品質を求められることから、 リサイクルが難しいといった課題もあります。

リサイクル樹脂25%を使用した場合の成形品では、リサイクル材を含む樹脂の組成割合は下記の割合となります。

リサイクル材を含む樹脂の組成割合(バージン材75%)
  リサイクル材
1回目 18.8%
2回目 4.7%
3回目 1.1%
4回目 0.3%
5回目 0.1%未満(0.977%)

樹脂リサイクル最適混合について、詳細は下記記事をご覧ください。
知っておきたいリサイクル樹脂材料の適正還元率と成形品の評価基準


リサイクル5回目の樹脂の物性評価を行って、成形品の品質に問題がなければリサイクル可能となり、原価低減を実現できます。ただし、粉やリサイクル材の粒度にバラツキがあると品質を保てません。ハーモの粒断機を活用して樹脂リサイクルを推進ください。

 

ハーモの粒断機

ハーモの粒断機は成形品の品質に影響を与える粉が少なく、粒度が均一である特徴を持っており、 エンジニアリングプラスチックの分野でもリサイクルに貢献します。

『粒断機』の製品ページを見る

 

ハーモのヘリカルホッパー

また、僅かでも気になる粉の回収には、ヘリカルホッパーにより課題解決を実現します。ホッパー内に発生させる螺旋気流と撹拌気流で、樹脂材料を「粉」と「材料」に分離徹底的に粉塵を除去する装置です。

『ヘリカルホッパー』の製品ページを見る

 

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