● レポート
ハーモウェブセミナーレポート『段取り時間短縮に貢献する新型待機ニッパーとトータルリンク』2021/5/25開催
2021年5月25日(火)に開催したハーモウェブセミナー【段取り時間短縮に貢献する新型待機ニッパーとトータルリンク】の動画といただいたご質問への回答を掲載いたします。ぜひご覧ください。
射出成形の基礎知識と課題解決については下記コンテンツをご覧ください。
射出成形とは|基礎知識と課題解決
ウェブセミナー内容
- 金型交換時の段取りにはどんなものがあるのか?
- 金型交換時の段取り時間を1時間短縮する方法を教えます
- ハーモの待機ニッパーは、「なぜ段取りが早いのか?」(実演)
- 段取り時間短縮に革命!新型待機ニッパーとニッパーアジャスタツールの紹介
- 段取り時間を大きく短縮する方法とは?(トータルリンクとスマートハンドアダプタ)
- Q&Aのコーナー
- ハーモウェブセミナー動画の完全版
ハーモウェブセミナー動画内容
金型交換時の段取りにはどんなものがあるのか?(動画3:46~)
金型交換時の段取り時間を1時間短縮する方法を教えます(動画5:02~)
成形作業における段取り(例)
- 成形機を止める
- ロボットの自動運転を止める
- 周辺機器の自動運転を止める
- 金型を冷却する
- 金型にエア入れてエアパージする
- 材料をパージして抜く
- 乾燥機から残材料を抜く
- ロボットを横走行してクレーンを持ってくる
- 金型を交換する
- 乾燥機と粉砕機を掃除する
- 乾燥機に次の材料を入れる
- 材料の乾燥温度を調べて予備乾燥を始める
- 金型の設定温度を調べて温調を開始する
- 成形機の金型データを変更する
- ロボットの金型データを変更する
- ロボットのチャック板を交換して配線配管する
- 乾燥と温調が終わったら成形を試作する
- 試作が終わったら成形機とロボットを自動運転する
- ゲートカットの位置調整
- カメラ検査の位置調整
ハーモでは「トータルリンク」と「新型待機ニッパーとニッパーアジャスタツール」で、段取り時間短縮のお手伝いができます。
ハーモの待機ニッパーは、「なぜ段取りが早いのか?」(実演)(動画8:01~)
従来と新型待機ニッパーの改良点とは?
段取り時間の短縮
- 待機ニッパー枠にワンタッチ機構を設置
- 金型ごとにニッパー枠を持つ
ポイント
- ニッパーを使用する金型ごとにこのニッパー枠を用意
- その枠をワンタッチで交換することで劇的に段取り時間短縮の実現が可能
位置再現性
- ニッパー枠に角度調整機構を設置
- 金型設置時に発生する「θ方向のずれ」に対して、ニッパー枠で角度調整を行う
問題点
- 金型を取り付ける際θ方向、つまり回転方向にずれが生じる場合がある
- その状態でニッパーの位置を合わせるとニッパーすべての位置を調整しないといけない
解決策
- 角度調整機構の使用で、θ方向ずれにプラマイ5度の範囲で合わせることが可能となる
- ニッパーごとの位置調整する時間を短縮できる
フレームは3種類ご用意(動画:16:50~)
TYタイプ
- 一番一般的な待機ニッパー
- おもに、姿勢制御にエアシリンダを使用している取り出し機と併用できるタイプ
TXタイプ
- トラバースフレームに平行に設置
- おもに2軸サーボ姿勢を使用している取り出し機で使用が可能
TZタイプ
- トラバースフレームに垂直、キックフレームに平行に設置
- RZ2軸サーボ姿勢を使用している取り出し機にのみ使用が可能
段取り時間短縮に革命!新型待機ニッパーとニッパーアジャスタツールの紹介(動画18:37~)
お悩み
- 金型交換時にニッパーの取り付けや、位置調整に時間がかかる
- 新型待機ニッパー枠で交換しても、公差がシビアだと取り付け後の微調整も必要
- 従来のねじ固定方法は固定のためにねじを締めこむと、締めこみの回転力により微量の位置ずれが発生する可能性がある
解決策
新発売のニッパーアジャスタツールの使用することで
- ニッパーの位置調整時に、ねじ・工具を使用せず簡単に調整ができるようにカムレバー式のロック機能を使用
- 起こすと固定が解除、カムレバーを倒すと固定されるため、作業の完了状態がわかりやすく一目で確認することが可能
- カムレバーを使用し、レバーを倒すと固定するため回転力が発生せず位置がずれにくくなる
- ニッパー調整時に手を放しても位置ずれがしにくく調整しやすい構造
- カムレバーでの固定を解除していても、ばねにより手で動かせる程度の圧力がかかっているため、手を放しても落ちにくく位置がずれにくい
- ニッパー位置調整に掛かる段取り時間を1/3に短縮(当社比)
段取り時間を大きく短縮する方法とは?(トータルリンクとスマートハンドアダプタ)(動画22:28~)
トータルリンク(動画22:50~)
金型温調機を自動冷却、自動パージ
Before
- 成形予定個数を終了してロボットが運転停止後、金型の冷却とエアパージを作業者が手動で行っていた
After
- 成形終了後、ロボットが温調機に金型の冷却とエアパージを自動で指示
トータルリンクが可能にしたこと
- ロボット自動運転停止後、金型温調機を自動冷却、自動パージ
- 成形工程の省人化・省力化に貢献
ロボットの金型メモリに周辺機器の設定を記憶
Before
- それぞれの周辺機器を個別に設定する必要があり、段取り時間がかかり、さらに温度の設定ミス(設定15分以上)
After
- 全ての周辺機器の設定値が入っていて自動で設定・切替(設定1分で完了)
トータルリンクが可能にしたこと
- ロボットの金型メモリに周辺機器の設定を記憶
- 金型変更時に周辺機器の設定を表示するとともに自動切替
- 段取時間の短縮、不良率の削減に貢献
スマーハンドアダプタ(動画26:27~)
チャック板交換における悩み
- 配線、配管、取付ボルト(4本)全てをやり直しのため、時間がかかる(最低10分)
- 位置決めがあいまいなので、チャックトライの時に再度位置合わせのための教示必要
- チャック板を間違えて取り付ける事がある
- 配線や配管の位置を間違える事がある
スマートハンドアダプタを使うメリット
- ワンタッチで取り付け可能。電気ポート、エアポート付で配線配管不要。時間15秒
- 位置決めピンがあるので、チャックトライ時の再現性が高い
- 自動チャック交換時、違うチャック板ではエラー表示が出るためミスが生じない
- 電気ポート・エアポートにより、配線・配管のヒューマンエラーがない
動画で見るスマートハンドアダプタ
Q&Aのコーナー(動画30:28~)
Q 既存の待機ニッパーに、新型待機ニッパーの枠や、ニッパーアジャスタツールの取り付けは可能ですか?
- はい。可能です
- 新型待機ニッパーの枠はボルトを入れるピッチが既存タイプ同じなので、取り付けが可能です
- また、ニッパーアジャスタツールでは『めっき付きの専用ステー』に変更していただければ既存の待機ニッパーにも使用が可能です
Q 吸着パットを使って取り出した後に型外でカットする前に、振動などによって位置が安定しない場合の対策はありますか?
- はい。あります
- 上の画像は弊社の汎用チャック板ですが、左側はニッパー、右側は製品を押さえて位置決めするためのミニシリンダーです。こちらに製品を持ってきてミニシリンダーで製品を押さえて、安定させニッパーでカットするなどで対応いたします。
Q この待機ニッパーは他社の取り出し機での使用も可能ですか?
- はい、可能です
- フレームの取付部にスペーサ等をかますことにより、対応が可能です。最寄りの営業所までご相談ください
営業所についてはこちらをご覧ください
ハーモウェブセミナー『段取り時間短縮に貢献する新型待機ニッパーとトータルリンク』の動画完全版
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下記ページから質問をご記入ください。
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射出成形周辺機器の総合メーカーであるハーモだからこそのご提案・解決策をご案内いたします。射出成形の人手不足でお困りの際はぜひ私たちハーモにご相談ください。
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